猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

ゾウの悲哀と不思議な草

第169話 ゾウの悲哀と不思議な草 ドライバー兼ガイドの、シアンと共に僕らは沢沿いを山道を下って行く。 もう山道というより、ゆるやかな川沿いの小道である。 途中で小さな小屋の売店があった。一段上がった所に作られており、おばさん店主が、薄手の絨…

獣道に潜むモノ

第168話 獣道に潜むモノ ツアー2日目は、なぜか最初に、村の小学校を紹介してくれた。可愛い村の子供達が5、6人、体育座りをして迎えてくれる。 この山奥の小さな村に、小学校がある事に少し驚いた。 だが考えてみると、確かに小学生の子ども達に、毎…

時は来た! いぬをこえる。

第167話 時は来た! いぬをこえる。 朝起きると、意外とスッキリしていた。 昨日あれだけ飲んだ割には、酒も残っていなかった。不思議だ。 皆まだ寝ているようで、僕は朝の散歩をしようと玄関のドアを開け外に出た。 ドアのすぐ横の青いクーラーボックス…

満天の星とむら護る犬たち

第166話 満天の星とむら護る犬たち 夕陽と時間を共有したイッヌさん。それとなく仲良くなった彼に、途中まで先導してもらい、僕は宿へと帰ってきていた。 「途中まで」と言うのは、実は彼が何かを追いかけて、道中いなくなったからなのだ。 先を歩いてい…

夕陽よ今夜もありがとう

第165話 夕陽よ今夜もありがとう 食事は質素ながら美味しく、みんなあっという間に平らげていた。僕もお代わりしたが、大男のベンはご飯を3回もお代わりしていて、さすがだった 笑 食後は皆、思い思いに休憩し始めた。僕はまだ日があるうちに、散歩に出…

タイの「わが町」

第164話 タイの「わが町」 村の中を進んでいた僕らは、かなり大きなバンガロー風の、高層高床式とでも言うべき一軒家に辿り着いていた。 一度、細い土の道を下り家の真下に着く。見上げると、普通の二階建てより高い位置に家があった。 1.5階建て程の階…

ゆーあーすとろんぐタイウーマン

第163話 ゆーあーすとろんぐタイウーマン 合流した4人は、イギリス人の男性2人組と、ドイツ人女性一人、タイ人女性が一人と言う組み合わせであった。 男性2人組は、ヒゲモジャでガタイの良い男性が「ベン」といい、これまたヒゲで帽子にメガネの男性が…

ぼくの夏休みは飛び込みありで大変タイ編!

第162話 ぼくの夏休みは飛び込みありで大変タイ編! 飛込みの場所から真下を覗き込むと、結構な高さである。さすがに恐怖心が頭をもたげてきた。。 崖の横側の登りやすい岩場から、草や木を掴みながら登った僕たちは、崖の途中の少し開けている天然の飛込…

チェンマイの市場と植物園

第161話 チェンマイの市場と植物園 朝7時、昨日手続きしたツアー会社から時間通りに来たツアーバスに、僕は無事に乗れていた。 黒いバンにはカップルが一組乗っており、運転手はタイの若者で、陽気な男だった。 20代であろうカップルに挨拶をすると、…

泊まる場所が無いので、少数民族に泊めてもらう。

第160話 泊まる場所が無いので、少数民族に泊めてもらう。 僕はまとめて宿を予約しない。 こまめに延長するのだ。 そして、そんな僕を脅かす事件がついに起きた。 僕は新しい街に到着した初日だけ、街を知るために宿を吟味しとりあえず、2,3泊は予約を…

グランマのお店のポテンシャル

第159話 グランマのお店のポテンシャル コーヒーを飲み終えると、ベンも「仮眠する」と二階へと上がっていった。どうやらここ数日の夜遊びが祟って、彼らは相当な寝不足のようだった。 しかし、寝る前にカフェイン摂取とは、全くよく分からない行動である…

雨と珍客と 情緒のないアメリカ人

第158話 雨と珍客と 情緒のないアメリカ人 視界さえ危ういスコールの中、ソンテオは慎重に運転をしてくれていた。 そんな中、荷台の客席で彼女と改めて話をする。 シャイに見える彼女は、少しは僕に気を許してくれたのか、初めて名前を教えてくれた。 彼…

夜景からの大脱出

第157話 夜景からの大脱出 ドイステープの展望台はとても気持ちが良く、まったく飽きがこない。 缶コーヒー片手に街並みを見ていると、時間の無い僕の為に、チェンマイが気を遣ってくれているのか? と思うほど、日はどんどん落ちていってくれた。 その合…

天空で逢いましょう

第156話 天空で逢いましょう もう… だめかもしれない。。 あ、吐きそう。。 ビニール袋あったっけ?? グロッキーになっている僕を乗せたソンテオは順調に坂を登り、最後の方にやっと直線が多くなった。そのおかげで僕は、少し落ち着きを取り戻していた。…

天空の寺へと

第155話 天空の寺へと 今日は僕が勝手に「天空の寺」と名付けた、ドイステープ寺院にリベンジすることに決めていた。 だがまさか、あれ程登るとは思わなかった。。 途中までしか登れなかったが、 日光の「いろは坂」×6 くらいの長さの体感であった。 し…

坂を降る時

第154話 坂を降る時 永遠に続くかと思われた奈落の様な下り坂も、ようやく終わりのようだった。。 行きに見たサファリパークのような動物園の入り口が見えてきたからだ。 ここをもう少し降れば、そこは街である。 そこから50メートル程緩い坂を降ると、…

いろはにほへとちりぬるを坂

第153話 いろはにほへとちりぬるを坂 タイ在住の日本人と別れた後、僕は仮眠をしに宿に戻ってきた。 自転車を盗まれない様に、玄関近くの、頑丈な柱に括り付け、シャワーを浴びてから、自分のベッドに潜り込んだ。 そして、3時間ほど寝て起きた僕は、だ…

タイに住む日本人

第152話 タイに住む日本人 相変わらずの、高額なデポジット料金は人質に取られるが、自転車自体は一日借りても、ここチェンマイは大した値段ではなかった。 ママチャリよりかなり良い、クロスバイクを借りる事にした。 自転車を装備した僕は、街を散策し…

グランマのお店

第151話 グランマのお店 お腹の治療薬を手に入れた僕は早速、食堂を探していた。 「薬は食後に飲め」という事だったので、まずは食事である。 安くてうまそうな地元の安食堂が理想だ。 そして何より、ビールも安いに越したことはない 笑 宿の近くのこじん…

チェンマイでの生活が始まる。

第150話 チェンマイでの生活が始まる。 クーラーの効いている宿はやはり快適だ。 その事は寝台車でも感じていた。 バンコクでクーラーの無い部屋にいた僕は、夜は涼しく寝れる様になっていたとはいえ、日中に部屋でのんびりしたくても、暑くていられない…

ついに宿のスタッフになる。

第149話 ついに宿のスタッフになる。 この宿は大当たりである。 宿の主人マイクにはあまりやる気を感じないが、モーニングの時間でなくても、モーニング専用に常備されてるパンや、お菓子、カップラーメン等の食べ物を食べようが、気にしないし、融通が効…

なにか落ち着く 古都チェンマイ。

第148話 なにか落ち着く 古都チェンマイ 汗だくになりながら、途中、タクシーに乗らなかった事を何度も後悔しながらも、街並みを眺めながら僕は、チェンマイを歩いていた。 かなり歩く事になったが、初めての街は歩いていると楽しくはある。 25分程歩い…

チェンマイの朝

第147話 チェンマイの朝 色々とあったが、無事ベッドで就寝出来た僕は、ホッとして眠りについていた。 車掌さんが言った通り、午後8時を過ぎるとポロシャツの制服を着た、ベッドメイキングスタッフがやってきた。 車両後部から入ってきた彼は早速、一番…

僕が見た タイ バンコク

第146話 僕が見た タイ バンコク 2017年に訪れた、初めてのタイ バンコクは優しく刺激的な町だった。 仏教国のタイは、バンコクという大都会でも皆穏やかで、柔らかさを保って生きているように感じた。 バンコクは都会なので、もっと殺伐としているの…

世にも奇妙な寝台車

第145話 世にも奇妙な寝台車 フアランポーン駅に早めに着いた僕は、時間を潰す為に、駅近くの小さな飲み屋に入っていた。 チェンマイ行きの寝台列車の出発までは、あと一時間以上ある。 駅にすぐ戻れる小さなお店で、僕は寝つきを良くする為に、アルコー…

ボーイ ミーツ ガール

第144話 ボーイ ミーツ ガール 陽気なインド人による「世界運び屋育成計画」から解放された僕は、いったん宿に戻っていた。 意外とドキドキしていた僕は、宿に戻って一刻も早く日本人に会って安心し、あわよくば今の話を聞いてもらい、心を落ち着けたかっ…

「君、〇〇屋にならないか?」

第143話 「君、〇〇屋にならないか?」 夜は意外と涼しいのか。。それとも身体が慣れたのか? 昨日もクーラーなしの部屋で、僕はぐっすり眠れていた。 朝早く起きた僕は、シャワーを浴び、朝の散歩に出かけた。 いつもの犬の少ない通りを通っていると、イ…

入国拒否のリリーさん。

第142話 入国拒否のリリーさん。 ツアーバスはまだ日の残る、夕方のカオサンロードに戻ってきた。 僕らは挨拶を交わして、それぞれに散っていった。 僕はその足で、例の日本人ツアー会社に向かっていた。もちろん文句を言う為にだ!! …というのは冗談で…

乗り乗りツアー 最後はお墓参り?

第141話 乗り乗りツアー 最後はお墓参り? 象へのライドを満喫した僕らツアーメンバーは皆、心なしか童心に戻った様な良い顔をしていた。 象から帰ってきた僕たちは、お互いに撮り合っていた写真を交換する事にしていた。 象に乗ってる最中に僕は、写真を…

象に乗った壮年と少年

第140話 象に乗った壮年と少年 まさか象さんに乗れるなどとは思っていなかった僕は、本当にこれが現実なのか?とさえ思っていた。 タイにあまり詳しくない僕は、ゾウといえばインドかアフリカ、という風に、全く象に対する知識がなかった。 なので、タイ…