猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

タイ・バンコクの外食事情

 

第122話

タイ・バンコクの外食事情

 

マッサージ屋さんで、国と言葉の壁を乗り越えた僕は、ご飯を食べに行くことにした。

 

一緒の感情を経験したり、ふっと 気が通じると、

通じないはずの言葉が、綺麗に通じる事が相変わらず不思議だが、それが人間の底力なのかも知れない。

 

腹筋を使い切った僕は、急にお腹が空いてきていた。

宿に戻りながら、お店を物色していく。

途中にバーベキューの食べ放題のお店があった。

 

日本から出て、初めて見る食べ放題のお店だ。

興味はあったが、値段が よくわからなかった。

何より、一人で食べ放題に行っても、きっと楽しくは無さそうだ。

そして、一日二食の僕には、今 そんなに量は食べられないはずであった。

 

中を少し覗いて「う〜む… うんっ。」

と一つ頷いた僕は、昨日買い物に行ったモールの三階にある「フードコート」に行ってみることにした。

 

僕は昔から、日本のイトーヨカドーなどにある、フードコートなどが大好きだ。

お祭りみたいで、ワクワクするタチなのだ。

 

なので、マレーシアのアロー通り、ペナンの屋台村である「レッドガーデン」や、

プノンペンのAEONのフードコート、

昨日、三上さんに連れて行ってもらった 屋台村でも、ワクワクが止まらない。

 

そんな僕は、タイのフードコートで、

ワクワクランチを摂ることに決めたのだった。

(どれくらいの値段なのだろう?

 まぁ… そこそこするだろうな。。)

と覚悟をしながら、しばらく歩いていくと、そのモールへの大通りに出た。

 

せっかくなので、裏道から行こうと思い、一本奥の路地から向かうことにした。

日本でも活動中の「路地部員」としての、路地探索をすることにしたのだ。

路地のすぐには、日本語のラーメン屋があり、ちょっといくと、日本語のメニューもある。

 

すぐ隣には、1時間 150バーツ(490円)の格安マッサージ屋もある。

ガラス張りなので、中を覗くと、店内はかなり綺麗だ。。

 安いし…  次はここでも良いなぁ。。

と、貧乏旅行者の僕が、しばらく様子を見ていると、中からスタイルの良いタイのおばさまが、出てきて、

「ヤスイヨー。スグニデキルヨー。」

と日本語で話しかけてきてくれた。

「上手いの?  安いけど。。」

と聞くと、

「スグ、ハイレルヨー!!

 ヤスクテ、ウマイヨ!サイコー!」

と、誘ってくれた。

どうやら、「早い、安い、上手い」の

日本の牛丼屋の様な 優良店らしい 笑

「今日は、もうマッサージ行ったので、

 明日来てみます!」

と言うと、「マッテルヨー!」と最高の笑顔で言ってくれる。

 

(明日は、ここに来るとしよう!)

と思いながら、お礼を言って、立ち去る。

彼女はニコニコしながら手をひらひらと振る。僕はすっかり、この人懐っこい笑顔の、愛想の良いおばさまのファンになってしまった 笑

 

路地をさらにいくと、フルーツ屋や、揚げ物の屋台が軒を連ね、その先にはモールの駐車場。

その道中は、もの凄い賑わいであった!

 

モールに入ると、一階フロアには、携帯屋など、ちゃんとお店を構えているところもあるのだが、

個人経営の怪しい、20バーツ(66円)の均一ショップや、洋服屋、履き物屋など、バザールの様になっているエリアもある。

それを少し冷やかしてから 3階へと上がると、何故か、ユニセフ? の募金の旗があり、人がいた。

団体の制服を着た、とても可愛らしい顔立ちの女性に声をかけられる。

日本なら会釈くらいはして、通り過ぎるところだが、今僕は、天下の暇人である。

立ち止まって話を聞いてみる事にした。

綺麗なタイの女性とお話しできる、せっかくのチャンスだ!

 

彼女は一生懸命、色々教えてくれるが、英語とたまにタイ語なので、大体の事しかわからなかった。。

だが彼女が熱心なので、僕は 初日の空港で、タイから頂いた、1000バーツの残りであろう金額を、全て募金箱に入れた。

数百円だが、タイから頂いた善意を、世界にまわしていこうと、ふと思ったからだ。

 

お金を入れると、彼女は手を合わせて、

「クップンカー」と言いながら頭下げてくれる。

その笑顔が本当に美しく、その笑顔を見れただけで、僕は嬉しくなり、

(僕の善意が 世界を周って、

 さっそく 自分に還ってきた!)

と 馬鹿なことを考えていた。

 

奥に行くと、小さな案内カウンターの様な所があり、さらに奥に10数店舗程のお店のあるフードコートがある。

広い店内の席に人は、かなりまばらだ。

 

入り口付近のカウンターを観察していると、何やら ここ専用で使えるであろう、Suicaの様なプリペイドカードを売っているらしい。

 

僕は毎日ここに来るわけでは無いので、現金で払おうと、そのままお店に向かった。

 

ここのフードコートは素晴らしかった!

カレーのお店はもちろん、パッタイの店、あんかけ焼きそばの店、フォーの店、色々おかずを選択できる店、カオマンガイのお店、

なんとカツ丼のお店まであり、かなり安い!

40〜90バーツ(130円〜300円)程だ。

 

僕は、楽しくなって、15分程じっくりと見て回っていたが、あんかけ焼きそばを食べる事にした。

他のお店の店員はやる気がなかったが、ここのおばさんは、笑顔でオススメしてくれたからだ。

「これを下さい」と言ってバーツ紙幣を出すと、手でバッテンマークを作られた。

 え?  何故ですか??

と聞くと、ここはプリペイドカードでしか、買えないと、ジェスチャーで教えてくれた。

 なんと! 現金は使えないのだ!

しょうがないので、先程のカウンターに戻り、プリペイドカードを買う事にした。

 

100バーツ単位でカードにチャージ出来るらしい。

僕はとりあえず、100バーツ入りのカードを買う事にした。

今日使いきれなくても、最悪、明日使い切れば良いと思い、100バーツ紙幣を渡す。

カウンターの女性はにこやかに、100バーツ分のポイントの入ったカードを渡してくれた。

 

早速、あんかけ焼きそばのお店に戻り、プリペイドカードを渡す。

おばさんは、受け取って、レジを通して会計をしてくれる。

そしてしばらく待っていると、お盆に載せた美味しそうなあんかけが出てきた。

僕は、何故か空いてる、大きなガラス窓になっている明るい窓際の席で食べる事にした。

 

フォークやスプーン、お箸は、手洗い用の洗面台の、すぐ横の台にある。 そしてここでも、

(おおっ? せ、先進国?!)

と驚く出来事が。。

 

食器の横には、ジュース缶程の穴があり、熱湯がグツグツいっている。

どうやら、ここで煮沸消毒してから使用するらしい。

素晴らしい衛生観念だ!!

マレーシアや、他の国では、卓上のペラペラの紙ティッシュで、気休め程度に拭くのがせいぜいだったのに、ここは、なんと!

 殺菌ができるのだ!!

(スゴイぞ! 凄いぞ!! タイ王国!!)

僕はそれだけで、かなり楽しくなっていた。

 

先の方がチンチンに熱くなった消毒済みの、フォークとスプーンをトレイに乗せ、僕は取っておいた席戻った。

早速、一口食べてみる。

 

 う、うまぁ。。ウマママ、マママイウ。

 アンアンっ ♫    ぁあんかけぇ〜 ♪

 

安心安定の旨味が、じわぁと広がる。

野菜も多く、色も素晴らしい薄クリーム色だ。

タイのこういう料理は日本人に合うと思う。

タイでは「味の素」が人気らしく、普通に使われているらしい。

懐かしの日本の味がすると、たしか本で読んだ事があるが、その通りだと思った 笑

うま味を感じる味なのだ!

旨味大島と化したその一皿を、あっという間に僕は平らげた。

 

これでたったの40バーツ(130円)である。

おかわりしようかとも考えたが、僕はまたの楽しみにとっておく事にした。

 

帰り際に、カードのカウンターをふと見ると、僕の向こうの席で食べていたおじさんが、カードを渡して、返金してもらっているのが目に入った。

(あれ? すぐに返金してもらえるっぽいぞ。

 まぁ。。手数料とられそうだけど。。)

と思いながら、僕も一旦返金してもらう事にした。

カードを渡して「リターンマネー」と、言うと、ちゃんと、残りの60バーツがあっさり返ってきた。

どうやら手数料も、何も取らず、使ったお金以外は、全てちゃんと還ってくるようだ。

 

最初は、不思議だったが、

どうやらこのシステムは(お金が汚い。。)という日本と同じ感覚で、食券の代わりにプリペイドカードで、衛生観念上このシステムにしているらしい。。

 

 凄いぞ!タイラント!!

 凄いぞ先進国タイ!!

 

僕は、タイの、

「痒いところに手を届かせよう…」

とする国の努力に、驚愕しながらも、感動していたのだった。。

 

恐るべし! タイ王国!!

 

続く


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↑ 旨味爆発の旨味大島


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バンコクにも猫さんは多い^_^

 

 

次話

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