猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

オナラには、国の壁と腹筋を崩壊させる力があるらしい。

 

今日は、宿のオーナーさんオススメの、

タイマッサージ屋さんに行く事にした。

 

今朝、挨拶をしたが、お互い大人なので、改めて昨日の事を話題に出す事もなく、 少し気を遣いながらも、オーナーさんは快くオススメのお店を教えてくれた。

 

タイはマッサージが盛んで、安いと聞いていた。

 

今日僕が行くのは 300バーツ(990円)のお店である。

道中、金魚屋?さんのようなお店もあり、なかなか涼しげだ。

すぐ隣に、猫が欠伸をしながら座り込んでいるが、別段 魚に悪戯はしない。

タイは、猫さんもおおらかなのだろうか? 笑

 

さらにいくと、右手に目当てのマッサージ屋が見えてきた。

外観は、いかにも「ゆったりしてください」という感じのオリエンタルな作りだった。

 

中に入ると受付の女性がいる。

昨日、道中に覚えた、タイ語で挨拶をしてみる。

僕が「サワディーカー」というと、

わざわざ手を合わせて、可愛らしい笑顔で

「サワディーカー」と返してくれた。

 

英語が話せる方で、コースと 施術者の性別を

選んで下さいと言われる。

日本であまりマッサージに行ったことがない僕だが、

 施術者は、男性がいいか、女性がいいか?

と聞かれるのは不思議だった。

やましい事は なにも無いのに、性別をわざわざ選ぶという行為が、少し恥ずかしい…

 

女性を選ぶと、何か すけべな奴だ と思われないかしら??  と 小心者な僕は色々考えてしまう。

だが、意を決して「女性で。」と答えた。

 

これは、今まで何回かマッサージ屋に行って、やはり女性の方が、男性より力が弱い分、力加減が絶妙で、上手にほぐしてくれるなぁ。

という実感から選んだのである。

決して僕が、女好きだから という理由では無いという事を、自分自身の名誉の為に、ハッキリと言っておきたい!  笑

 

まぁ、そんな事を色々と、考えてしまってる時点でダメな男であるが、受付の女性は そんな僕の葛藤など、全く興味無い感じで、普通に奥に案内してくれた。

 

奥には僕の担当の、20代前半に見えるタイ人の女性がいて、まずは足湯で足を洗ってくれるという。

椅子に座った僕の足を、丁寧に洗ってくれる。

うら若き女性に、温かいお湯で、足の疲れと汚れを洗い流してもらっていると、仕事でやってもらってる事を 忘れそうになるから不思議だ。

何か、もの凄い親切にしてもらってる気がして、親近感が湧くのだ。

 

何か昔の時代劇で見た、旅人の足を宿の女中さんが、

「今日はどちらさんから? あら江戸ですの?

 あらあら、長旅お疲れ様でございます。」

と桶で足を洗ってくれる映像を思い出し、若い侍と女中さんが、恋に落ちる理由がなんとなく分かった。

 

そういえばドラマ「仁 〜JIN〜」でも、

綾瀬はるかさんに足を濯いでもらう

大沢たかおさんが 照れながら、

「いつまで経っても慣れません。」

とはにかんでいた。

 

同じ状況だ。。

(そう言えば「深夜特急」の実写版も

 大沢たかおさんが 主演で、

 沢木耕太郎さんの役をやっていたはずだ。

 あれ? 知らぬ間に俺、オマージュ?! 笑)

と目まぐるしくおかしな事を考えながら僕は、

やはり、はにかんでいた。

 

足をこれまた丁寧に拭いて貰い、2階に上がる。

2階に上がるとお香のいい匂いがし、

りぃらぁ〜っくす、出来そうな音楽が流れ、

布で、一部屋づつ区切られている。

 

今までの所は、床にベッドが置いてあるところばかりだったが、ここは漫画喫茶のフラットシートのように、床にマットを敷いた感じだ。

 

かなりリラックスできそうだ。

僕の担当の方は、英語が苦手らしく、時計をセットして「オーケー?」とだけ聞いてきた。

言葉が通じないのが、気まずいらしく、彼女は少しぶっきらぼうに見えた。

 

恒例の、

「ソフト、ソフトプリーズ。

 ノー アクロバティック?OK?」

と、多分通じてない カタコト英語と、ジェチャーでお願いしつつ、マッサージは始まった。

 

こんな事を言うと、また誤解を招くかもしれないが、やはり人に体に優しく触れてもらうだけで、かなり癒される。

人の体温が、何か安心感をくれるのだ。

 

前に出会った、かれこれ50カ国以上を回った事のある、27歳のバックパッカーの男性に

「好きな国は?」と聞いた時、彼は

「どこ、と言うか 南米ですね?」

と言っていた。

 

理由を聞くと

「ハグをする国だから。」

と言う事だった。

 

やはり挨拶で、ハグをして相手の体温を感じると、より仲良くなれるし、安心するし、元気を貰えるとの事。

なんとなく、彼の言っていた意味がよく分かる。

ドミトリーで仲良くなった旅人達とも、やはり時間が合えば、握手をし、より仲が良いと、ハグをして別れる。

 

異国での一人旅は、なんだかんだいってやはり孤独だ。

日本人宿に泊まっていても、それは本質的に癒やされる事は無い。

だからこそ、人の体温が本質的に、多少であっても 癒してくれるのだろう。

人間の持つ 不思議な力の一つだと思う。

 

さぁ、話を戻そう。

マッサージは進んでいく。上手な方だったが、今までの店では、多少英語で

「どう?」とか、「ココ こってるよ」

とか、やりとりがあったのだが、何か、一言も会話がなく、、き、気まずい。。

そんな彼女も、やはり気まずそうだ。

 

さらに緊張してきた僕は、お腹が痛くなってきた。

そして、どうしても我慢ができなくなり、せめて音を出してはいけない。。と思い。

僕は かなり高度なお尻の筋肉の使い方をし、

全く音の出ない「サイレントぷぅ」をしてしまった。

 そう。。 " すかしっ屁 "  である。

いや、「サイテー」だと思われるだろうが、我慢ができなかったのだ。。

 

いい訳をさせて欲しい。

実は、ベトナムハノイにいる時から、お腹の調子が悪かったのだ。

 ここ、ちょっと衛生状態大丈夫かしら?

というお店で 食事をした翌日から、

普段は大丈夫なのだが、食事をすると必ずと言っていいほどお腹が痛くなって、トイレに行かねばならなくなり、その後は 何事もなかったかの様に回復する。

そんな事を繰り返していた。

 

一日、ほぼ二食なので、一日二回ある 腹痛である。

(まぁ、大した事ないだろ。

 日が経てば、そのうち治るだろ。)

とタカを括って、医者にも行っていなかった。

 

そんな、腸がゆったりやられている僕から、

ガスが漏れてしまう事は、必然であったのだ!

(↑これ、言い訳になっているのだろうか?)

 

だが、とてつもなく " スカしたヤツ"  が出たらしく、彼女は匂いに気付き、たぶんタイ語

「くっさーい!!」と言った。。

びっくりした しかめ顔をしていた彼女は、

僕と目が合うと、周りに遠慮してなのか 小声で、半笑いで 怒りながら、僕をパシパシ叩いてきた。

「くっさいよ!何食ってんの??あんた!」

タイ語だが、何を言っているのかがよく分かった。、

「ちょっとぉ! 大真面目な顔して、

 何してんのよ、あんた! 笑」

 

あまりの臭さに、彼女はもう「ケホケホ」むせながら、笑い始めた。

彼女は、廊下とを区切る布をパタつかせて、少しでも匂いを外に逃そうとしながら、笑い声を必死に堪えている。

 

きっと僕が、大真面目なスカした顔で、

まさかそのまま、スカした屁をするとは思わず、

その表情とのギャップで笑い出してしまったのだろう。

 

それを見ていた僕は「ごめんなさい。。」と蚊の鳴くような声で言ったが、

彼女を見ている内に、その あまりの威力に、僕も笑い出してしまった。

大声で笑うわけにはいかず、2人して声を殺して、笑いが止まらなくなった。。

 クックック。。くぅう〜、クッふ!

 くぅっ、くっ、くぁっ。 クックックッ…

と二人で顔を合わせて、ヒソヒソと、手でジェスチャーしながら、笑いをこらえた。

「ご、ごめんなさい。 そ、そんなに?!」

「もう やぁだぁ。何してくれてんの?」

と、手を振りながら、手で会話しながら、笑いは、より止まらない。

もう腹筋が崩壊しそうになり、彼女も僕も突っ伏して、笑いを押し殺して、笑い転げていた。

 

そして、笑いが収まったかと思い、また目を合わすと、また笑いが止まらなくなる。

 

そんな事を何回か繰り返し、

たっぷり5分は笑っただろうか…?

 

一通り笑った僕らは、急に真面目な顔に戻った。

彼女はまた、真面目な顔でマッサージを再開してくれ、僕も真面目な顔でマッサージを受ける。

だが、不思議なもので、もう最初の緊張感はカケラも無く、たまに彼女は思い出し笑いをし、僕も笑顔でマッサージを受けていた。

お互い、何かが通じた様な、近しい親戚の様な安心感と、遠慮のなさが生まれ、

僕らには、今、何も 壁は無かった。

 

不思議な事だが、本当に不思議な事だが、

とてつもない威力のオナラが、

国境や、国家や、言葉や文化の壁。

そして、男女の壁さえも乗り越えたのだ。

 

マッサージが終わり、最後に彼女は、悪戯っぽい笑顔で 僕の肩を軽く押して、また思い出し笑いをして、送り出してくれた。

本当に、優しい 可愛らしい女性である。

 

 オナラ一つで 凄い仲良くなる。。

という事が人生ではあるらしい。

 

 

 …ぷう。。

 

やはり「笑い」とは、 " 緊張と緩和 " であるらしいという事を、僕は国を越えて学んだのであった。

 

そして彼女に改めて言いたい。

「あの時はごめんなさい」  と。

 

つづく

 

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↑ 近所の金魚屋さん。

 

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↑ 近所の猫さん

 

次話

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