猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

メコン川 でっかぁーー!!

 

第53話

メコン川 でっかぁーー!!

 

携帯のアラームを久しぶりにかけていた僕は、朝7時におきた。。

寝ぼけ眼で顔を洗う。。

 

起きたら、昨日の "ホームシック?" は、

「マヒィアダー!」事件でアドレナリンが出まくった影響か、全く感じなく無くなっていた。 それが理由だとしたら 不幸中の幸いだ。

改めて考えると、捕まっていたら何をされていたかわからない…。

「本当に気をつけよう。。」

と僕はこの事を心に刻んだ。

 

久しぶりに 宿の怪しいモーニングを食べて、僕は宿を出た。

宿まで迎えに来てくれるツアーだったが、実は徒歩7分くらいの場所にツアー会社があるので、面倒なので、ここで集合する事にしていた。

到着すると、もう1人の日本人の方がいた。

話しかけると、日焼けした健康そうな40くらいの男性で、さわやかな笑顔で「岡林です!」と挨拶してくれた。

(今日は2人きりだから

 いい人そうで良かった!!)

と僕は安心した。

続いて日本語ガイドを紹介されたが、、

日本人では無かった。。

日本語を喋れるという、ベトナムでは珍しい、大柄なベトナム人男性だった。

「なまえはニャンです。ガンバリマス」

と挨拶される。

(猫みたいな名前だ。。)

と僕は笑いを堪えていた

実はベトナム語は、聞いていると、

何か「にゃーにゃー」言ってる様に聞こえる。

 

いや、僕には、そう聞こえていた。

そこに来てこのニャンさんである。

笑うなという方が 無理である。

 

本当の集合場所らしい、バス乗り場まで車で送って貰う。到着すると観光バスが停まっていて、中は 外国の観光客達で、ほぼ満席だった。

(あれ?今日は日本人が

 2人だけだと聞いていたのにな?)

僕は、岡林さんの隣の席に座った。

ニャンさんは 2席前だった。

バスは皆を乗せて、走り出す。

 

ここでも 不思議な事が起こった。

 

ガイドらしい20代後半のテンションの高い女性が、英語で喋り出した。

「はーい!!みなさん!!楽しいバスの旅が始まりましたよー! あらあら、みんな元気が無いですよー!人生は短い、今楽しまないでどうするんでしょう!?」

という感じで喋って、みんなを盛り上げている。

ユニバーサル スタジオ ジャパンのアトラクションのキャストでも通じるほど、盛り上げ上手な女性だった。

 

あれれ?なんで もう1人ガイドがおるの??

と思っていたが、見ている内に理解ができた。

 

このツアーは、もともと英語のガイド付きのツアーで、その中に "別料金" で、日本語ガイドをつけて、英語がわからない日本人向けのツアーにしている様だ。。

 

(そういう事か。。たしかに2人でメコン川ツアーを催行していたらこの値段で行けるはずがないか。。)

と僕は納得していた。

 

Wi-Fi付きのツアーと聞いていたので、Wi-Fiに繋ごうとしたが、何もHITしない。

眠ろうとしているニャンさんに、Wi-Fiどうなってるのか?と聞くと「あ、今電源ツケル」と、ポケットWi-Fiの電源を入れ、パスワードを教えてくれた。彼が眠る前に聞いてよかった。

Wi-Fiがつながり、そのパスワードを隣の岡林さんにも伝えて、その後2人で色々話をした。

岡林さんは、静岡で農業をしていて、

「農業実習生」制度を利用して、自分の農業を手伝ってくれる人を探しに来た、という事だ。

 

昨日は頼んでもいないのに、色々接待されたが、今日このツアーに来たいので、早めに切り上げて帰った 笑

と言っていた。

 

バスは順調に走り、やがて、

白い大きな仏像がいる お寺?の様なところに着いた。

ここを最初に回るらしい。

申し訳ないが、明らかに ご利益がなさそうな像だった。。いかにも観光用に作りました。。と言うのが丸出しだった 笑

他の観光客も、苦笑いをしていたが、とりあえず 回り始めた。

コーヒーショップがあり、みんなここでコーヒーを頼みながら時間を潰している。

僕は 一緒にアジアを周っている "相棒の帽子" を持ってきていたが、岡林さんは、強すぎる日差しの中、「参ったなぁ。。帽子がいるなぁ。」

と言っていたので、一緒に お土産屋に帽子が売ってないか、探す事になった。

店頭に、ベトナム式の、農業をする時に被る、三角錐型の 帽子が売っていた。

値段を聞くと、1ドルだという。

岡林さんも、農家の方だけに、

「これ、良いんじゃないですか?」

と言うと「百円かぁ、、よし、買おう!」

と購入が決定した。

 

被ってすぐに岡林さんは、その性能に驚愕し、

「いいな?これ。涼しいよ!

 いっぱい買ってって、静岡で使おうかな?」

とまで気に入っていた。

 

50分と言う時間は、野良猫と戯れ、カフェで過ごしている内に過ぎた。

最初に、3分だけ説明してくれてどこかに行っていたニャンさんもいつの間にか、戻ってきていた。

本当に猫みたいに自由人だ 笑

 

バスに戻り、いよいよメコンリバーに向かう。

メコン川の船乗り場に着くと、またニャンさんが説明してくれるが、さっきよりやる気が無い。。

棒読みでダラダラと早口で喋る。

(ひょっとしたら、覚えた日本語の文章を

   一生懸命喋ってくれているのかもしれない)

とじっと聞く。

あまり内容はよく分からなかったが、この川は ホーチミンの方の心の故郷だと教えてくれたと記憶している。

 岡林さんに「内容分かりましたか?」 と聞くと 岡林さんは、

「うーん早口でよく分からなかった。」

 と言った後 小声で

「あの人あんまりやる気なさそうだね 笑」

と言った。

(やはりそう感じていたのは

  僕だけじゃなかったんだ…)

と思い「やっぱりそうですよね」と僕も苦笑いした。

 

僕たちはニャンさんに先導されて、船に乗り込む。

メコンリバーを改めて見るとおもわず声が出た。

「で、でっかぁっー!!!」

メコン川雄大で、大き過ぎる程 幅があり、茶色い水が流れて行く。

僕の人生で見た川で 一番大きな川だった!!

 

僕は 岡林さんと大はしゃぎだった。舟はエンジンを吹かしながら、川を横断して行く。

 

まさに「メコンの渡し」だ! 地元の漁師さんに手を振ると手を振り返してくれた。

広大な川とゆったりとした人々。。

(素晴らしい!

  これを感じたかったんだ!!ぼくは。)

とこのツアーにしたことに僕は満足していた。

 

メコン川を渡った向こう側には、奥にレストランがあり、ここで、早めの昼食となった。

 

「象耳魚」という、メコン川で取れる大きな名物魚が、姿揚げで出てきた。

これを米粉の生春巻き的に 包んで食べるのだが、結構なボリュームである。。

他の料理も結構ある。僕達は別途ツアーなので、一番奥で他の同じツアーの人より豪華だった。アルコールは、別で自腹だったが、僕はせっかくなので1缶だけ、タイガービアを飲んだ。

なぜベトナムのビールでないのかは不思議だったが、、 美味しかった!! 笑

 

岡林さんと頑張って食べたが、2人で象耳魚まるまる一匹プラス 焼きそばは かなりキツかった。。なんとか食べたが。

僕は東南アジアに来てから、1日2食の日や、一食 一皿くらいで済ますという、少食になっていたので、よりキツかったが、岡林さんが、頑張って食べてくれた。

楽しみであるはずの食事を "頑張らせる" このツアーは、なかなか侮れない 笑

ここでもニャンさんは、最初説明だけして、いなくなった。

僕は "猫習性" がある、すぐに居なくなるニャンさんを 探す術を見つけ出していた。

ニャンさんからは Wi-Fi電波が出ている。

(本当はWi-Fiを使えるように、常に 周りにいなければいけないはずなのだが…  笑)

僕は日本の友人に写真付きのラインを送る為に、電波がある方に近づいていく事にした。

アンテナが2本立ったところで送信が出来た。

そのままアンテナが3本になる所まで行くと、ニャンさんは、ハンモックでゆったり携帯をいじっていた。

僕はもう面白くなり、黙ってその場を離れた。

 

その後、僕達はジャングルクルーズをする。

2メートルくらいの幅の支流を 5人乗りくらいの手漕ぎ舟で進んでいく。 なかなか楽しい。

片方に括り付けた櫂で、地元の方が上手に漕いでくれる。

 

だいぶ進んだところで、5艘に分かれていたツアー客達は、ここの舟付き場で 皆降りていく。

降りた先は、ココナッツを使った 手作りのキャラメル工場だった。

お茶を頂きながら、天日干ししているキャラメルを見学する。

何故かここには大きいニシキヘビがいて、観光客と一緒に記念撮影出来た。

僕は、マレーシアですでに、可愛いメスの蛇さんと記念撮影していたが、ついまた 撮影してしまった。

蛇さんは、子供の頃よく川で捕まえていたので 平気だし、大人しいので、逆に ヘビさんが苦しくない様に "どう待とうかな?" と気を使ってしまう。

最初は「お、俺はいいや。。」と言っていた岡林さんも、僕が楽しそうに写真を撮って貰っているのを見て、安心したのか

「うーん。やっぱりせっかくだから!」

と結局撮って貰っていた、かわいい人だ。

 

その後の キャラメルの試食で油断していた僕は

「キャラメルも 銀歯泥棒。」

だと言う事を忘れていた…

 

奥歯がカパっと外れたのである。。

「ま、マジで?!」

と僕は思い、すぐに応急処置をした。

持っていた水で 銀歯と奥歯を綺麗に洗い

銀歯を奥歯にキチンと嵌め

持っていたタオルをその奥歯でとにかく強く噛む、、少し休み、またギュウっと、噛む。

お陰で銀歯はぴたりと収まった。

 

" あるものでなんとかする。

   現状の最善を常に選択して実行する "

 

これは僕が旅の中で学んできたことの一つだ。

 人生は工夫で何とかなる。

なんでもある 便利な日本にいると 中々発動しない能力である。

 

ともあれ、しばらくは保つだろうが、また外れるだろうなぁと、僕には分かっていた。

(せっかくマレーシアで

  メントス我慢したのに…)

と僕は結構凹んでいた。。

 

続く

 

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↑ ちょっと観光向けすぎるかな。。


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↑ 戯れていた猫さん(痩せすぎで心配。。)

 

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↑ ついにメコンリバーへ


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↑ はしゃぐ僕

 

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メコン川の漁師さん


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↑ 象耳魚

 

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↑ 楽しい昼食 ボリュームは凄い!!

 

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↑ キャラメル一切関係ないヘビさん☺️

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↑ 銀歯泥棒たち 笑


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ジャングルクルーズ

 

 

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