猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

ハンモックに揺られ 心も揺れる。

 

ラピュタから " 無事に" 帰ってこられた僕らは、それを祝うために昼食を取りにレストランに向かっていた。

 

ジェイクが連れて行ってくれた お洒落なレストランに着き、美味しそうなグリーンカレーを注文する。

ここもおしゃれな割にはそんなに高くはない。

昼食を食べていると、中華系の3人組が入ってきた。

僕が挨拶をすると、向こうはびっくりしていた。

 

この三人組は、プノンペンへの 陸路国境越えの際、ホーチミンの「シンツーリスト」の待合から バスで一緒だった三人組である。

(少し太っちょの男性1人、女性2人の若者達)

観光バスへ移動の、ギュウギュウのワゴンの中で膝が当たっていたのも、彼らである。

 

プノンペンのバス停で、一緒に降りたはずだが、カンボジアに来た旅人はみな、同じようなルートを辿るのだろう。

 

なのでここ、シェムリアップで、再会する事になった。

 

実はこのレストランに来る前に、僕は彼らを見かけていた。

 

今日の 最初の遺跡を回った後、いよいよベンメリアに出発という時に、駐車場で彼らを見かけていた。

その時、彼らが、 なぜかうろたえてるのを見た。

まるで国境のイミグレーションで狼狽えていた時のように、キョロキョロして 何かを探していた。

出会った時から思っていたのだが、この3人組は全然旅慣れていないようだ。

運転席のジェイクがそれを見て

「見てみな。きっとトゥクトゥクに置いて行かれたんだぜ?」

と笑っていたが、僕は笑えなかった。

 

「乗せてあげようか?」とジェイクに相談したが

「ドライバーがそのうち戻ってくるか

 他のトゥクトゥクに乗ればいいだけさ」

とジェイクに言われながら、僕のトゥクトゥクは、そのまま走り去っていた。

 

どうやら、彼らもトゥクトゥクドライバーと無事、再会出来たようだ。

 

そんなことも含めて、「よかったね」と挨拶したのだが、何しろ向こうは旅慣れていない若者である。

今まで、周りを見る余裕も無かったのか、僕のことをあまり覚えていなかった 笑

僕が「バスで一緒だった」と説明すると、大きく頷いて「ああー!!」と言っていたが、それ以上はなんのリアクションも無かった。

あまり、自分達のメンバー3人以外とは、交流をしたく無いようだ。

僕はさっさと「またね」と言って席に戻った。

旅は人それぞれ自由である。

彼らのスタンスを邪魔してもしょうがない。

とにかく彼らを 勝手に気にかけていた僕は、彼らが無事に レストランにたどり着けた事に安心していた。

席に戻り、グリーンカレーを堪能した。

結構美味しかったが、プノンペンで、神カレーを食べてしまった僕には、少し物足りなかった。

外に出ると、ジェイクがハンモックから、体を起こし、僕を手招きした。

この店は、駐車場の横に休憩所がある。屋根の下にハンモックが 10数個吊ってある。

"ご自由に休んでください" という場所である。

日本の温泉地にある、「足湯」のハンモック版だとイメージして貰えばわかりやすいと思う。

 

僕は言われるままにハンモックに入ろうとしたが、、何しろ ハンモックなんて、子供の時分に使った事があるくらいである。

靴を脱ぎ右足を入れる。

左右に振れ、安定しないので、結構バランスを崩して危ない。。

ジェイクに

「足からじゃなくて、お尻から入って!」

とアドバイスを貰うと、すんなり入れた。

 

なるほど! 片足だけまず入れて浮いたら、そらバランスを崩すはずだ。確かに お尻から座るように入るのが安全である。

ここは、屋根のおかげで日陰で 吹き抜けているので、結構涼しい。

「30分は休んで大丈夫だ」と言われ

ジェイクと共に ハンモックに揺られながら、ホーチミンの3人組にも会ったこともあり、僕はベトナムの事を思っていた。

 

ここシェムリアップの旅が終わると、ホーチミンから、はるかに北のハノイに行くとはいえ、いよいよベトナムに戻るのだ。

初めて行った外国に、"再び訪れる" というのは、一体どんな気持ちになるのだろうか??

 

全ては 初めての経験だ。

 

一体この旅は 37年も生きてきた僕に

旅を始めてから「初めて」の経験ばかりをさせてくれる。

初めての感覚を いつも体験させてくれる。

 

まだまだ人生は、これからなんだなぁ。

と改めて思い知らされる。

 

僕がこれまでの人生で感じた事や、経験した事など、まだまだ何も知らない、小僧の歩みに過ぎないのだと。

 

そんなことを、ハンモックに揺られながら僕は、カンボジアの大地で考えていた。

そして、そんな事を考えられる時間を持てている事に、改めて感謝をしていた。

「贅沢をさせて貰ってるなぁ。」

と、心から思う。

 

「旅に出よう!何がなんでも!」と

ふいに決意をし、旅に出たことは間違いではなかった。

 

涼しさと気持ちよさで、思考の途中に いつのまにか寝てしまっていた僕は、「時間だよ」と、ジェイクに揺り起こされ、再び次の遺跡へ向かった。

 

正直「ベンメリア」以上の感動があるのかしら?と疑問だったが、それはそれである。

初日のように、意図せず何かに出会えるかもしれない。

 

次の遺跡に向い、また一通り周る。

今度は平地の遺跡であった。名も知らぬ遺跡をくるくる周る。

やはり、あまり感動は無かった 笑

 

最後は、夕陽が見える遺跡に行く事になっていた。サンセットが見える遺跡の急な階段を登る。大きな遺跡だった。

遺跡の頂上付近の夕日ポイントには、5、6人の観光客がおり、みな思い思いの場所に腰掛けている。

僕も良さそうな場所を探して、そこから太陽を眺める。

空はだいぶ曇っていて、太陽は滲んでいる。

まだまだ太陽が沈むまでは時間がありそうだ。ゆったりと、夕陽になるのを待っている人たちを尻目に、僕は遺跡をじっくり周る事にした。

ジェイクから地雷情報を聞いた事により、僕はより大胆に遺跡の周りを散策する事が出来た。

 

水場がある事もあり、またここにも野良牛がいる。マレーシアのランカウイでもみかけたが、野良牛も、家族で一緒にいる。

栄養たっぷりの餌をもらっているわけでは無いので、痩せこけて見えるが、本当は 牛はこんなものなのかもしれない。。

日本だと、牛舎にいる牛さんたちしか見れないので、何か微笑ましい。

以前に訪れた、石垣島で見た野生の馬も、家族で仔馬を連れて生活していた。少し近づくと、仔馬を守りながら 親馬が威嚇をしてきた。

動物も人間も、皆家族を大事にして生きている。そんな当たり前の事を、改めて感じる。

 

そんな事を考えていると、夕陽が沈み始めたので、さっきのスポットに戻る事にした。

急な階段を再び登る。

息を切らして、さっきのポイントに着くと、人は20人くらいに増えていた。

カップルも多い。

僕も適当な所を見つけ、腰掛ける。

絶壁から、足をぶらぶらさせながら、雲間から見える 沈みゆく夕陽を見ながら僕は

「あぁ、ビールが飲みたいなぁ。。」

と夕陽に呟いていた。

 

続く

 

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↑ 本日3つ目の遺跡 後で調べると恐らく

「プリア・コー」だと思われる。


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↑ サンセットポイントの遺跡

   たぶん「バコン遺跡」だと思う

 かなりの高さがある遺跡だった。

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↑ 野良牛さん


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↑ 沈みゆく夕陽と「バコン」


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↑ 犬と戯れる地元の少女。

 手前の警備員さんは、

 「もっといいサンセットポイントを教える」

 例のパスポートのカラーコピーの裏に

 その遺跡の場所を書いてくれている。

 後でジェイクに聞くと

 「こんな所は無い!」と一蹴された 笑