猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

僕と旅と神様

 

第13話

僕と旅と神様

 

僕の旅のスタイルは、基本その街に最低3泊4日はし、ゆっくりその街を見ながら移動するものだった。

 

"行きたいなぁ" と思っている場所には

行きたいと思ったときに向かう。

もうこの街は充分かな?と思ったら。

 よし!! っと

 

 advance to.. ! 先に進もう! 

 

と出発していた。

この一瞬の気持ちを逃すと居心地が良くてダラダラいてしまい。

なかなか次の街には行けなくなってしまうのである。

だからそれまでは、今いる街や街の人 街の雰囲気などを堪能し 食事も美味しくて安いお店を見つけて そこの常連になる。

店のおばさんも顔を覚えてくれて、挨拶してくれたり話しかけたりしてくれる。

徒歩で実地で街を見るのが好き。

人を見るのが好き。

街に行けば "なにか" があるのである。

だからその街に着いたら

今日は西の方面を散策

昨日西に行ったから今日は東へ。

明日は南へと

ゆっくり自分で地理と街を把握していくのだ。

歩いているうちに "なにか" があるのである。

 

さて、今日も

魔窟からでも 歩け歩こうである!

宿を出ていつも通り散策していると

パサールセニ駅の川向こうに、何やら綺麗な建物が見えた。

道中色々工事していたが、進んでい行くと寂れた駐車場に出た。

人の気配がまったく無いので怖くなって走って突破すると大通りに出て

その道向こうに。

巨大なモスクが現れたのである。

とてつもなく "荘厳な" 印象を受けた。

中に入れないかと覗いていると、警備員に止められた。

 

以前KLセントラルからモノレールで見た

とても綺麗な青いモスクは後日に訪れると

 誰でも、いつでも入って良いですよ。

と言って貰い 入った事があったので

理由を聞いて見ると

ここは時間が決まっていて、

今はムスリムの礼拝の時間なので"入れない"との事だった。

半ズボンもNGで

タンクトップなど肌を露出しすぎるものは駄目らしい。

それでも入りたい時は紫色のローブを貸し出してくれる。

との事だった。

結構厳し目に言われたので、さすが、厳格なムスリムだなぁと、感心した。

 

(これは僕の考えだが、僕は旅とは、その国に ”お邪魔させて頂いている” と思って行動するので、その国には "敬意をもって" その国の文化を尊重します。

特にその国には、その国のその土地の神様がいらっしゃると思っているので、

敬意を持って、気になるお寺や、モスクがあると、ご挨拶してから、旅をする。

そうすると、旅は不思議と出逢いに恵まれ、上手く行く。

病気やトラブルにも巻き込まれない。と僕は思っているし、実際そうなった。)

 

なのでたまにいる

 なんで今入れないんだ?!

 せっかくきたのに!!

などと粘っている旅行者を見ると悲しくなる。

そんな、自分の都合ファーストで、自分本位に旅をしても何もいい事はないよ。。

と僕は思ってしまう。

(旅の間、自分本位な旅人に何人かあったが、

 全然仲良くなれなかった。)

 

僕はお礼を言って、なら明日こようと、

礼拝のスケジュールが貼ってある紙を写メし

いつも通り、アロー通りへビールを飲みに行くことにした。

 

パサールセニ駅にそのまま戻るのも、なんなので、KLセントラル方面に歩き出した。

 

少し歩いていると、左手に駅が出現した。

食堂があり、奥になにやら駅がある。

なに駅なんだろう? と思って入っていくと、

東京駅のような趣のある

古いが ”気品のある駅” だった。

近くの人に聞いて見ると

なんと!クアラルンプール駅だという。

僕は発展している KLセントラル駅が、クアラルンプール駅だと勘違いしていた。

 

後で調べるとマレー鉄道最古の駅との事。

クアラルンプール駅は  ここにあったのだ!

僕はパサールセニ駅=クアラルンプール駅だと感じた。少しは離れているが

赤坂見附駅永田町駅みたいなものだと。

ここからは鉄道で、一駅でKLセントラル駅へ行けるらしい。

せっかくなので、味のある昔ながらのホームから、KLセントラル駅へ行くことにした。

切符を窓口で買い求めて、何番ホームに来るかを聞き、向かう。

この駅は全然混んでいない、ゆったりと過ごせて気持ちがよかった。

そして、こここそがマレー鉄道の

「かつての重要地点」

マレーシアのかつての中心だったのだ。。と感慨に浸っていた。

そのあとKLセントラル駅経由で、ブキビンタン のアロー通りでビールを飲み

その日は宿で寝た。

 

次の日僕は長ズボンに履き替えて昨日のモスクを目指した。

入り口に着くと、昨日の警備員のおじさんがいたが

昨日とは打って変わって、

とてもにこやかに愛想良く

 靴を脱いでそちらに入れてね

と言ってくれた。

きっと、入れない時間は、結構厳しめに言わないと守らない輩がいるのだろう。

本当は、気の良い人なんだなぁと思いながら、

靴を脱いで向かう。

中もとても綺麗で、心がとても落ち着いた。

礼拝堂についたが、ここは本当にムスリムでなければ入れない。

イスラム教は偶像崇拝を否定しているので

中には何も無い。

だが、その礼拝堂の煌びやかさと

礼拝する人たちの神に対する敬虔な姿勢は

とても美しかった。

僕は、もうクアラルンプールを旅立っても良いのかな?と感じ始めていた。

 

後で調べると

そのモスクは国立モスクで

クアラルンプール で一番有名な所だった。

神の啓示を受けたわけでは無いが

僕の心は動き始めていた。。

 

続く


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↑国立モスク

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↑礼拝堂
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↑モスク内部と僕

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↑クアラルンプール駅

 

 

次話

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