猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

僕の見た クアラルンプール

 

第15話

僕の見た クアラルンプール

 

最初に見た外国の情景は強烈である。

 

僕にとって、マレーシアで印象に残っている風景は

”茶灰色の泥の河” である。

それは、列車の中からも飛行機の窓から見ても
ずっとそうだった。

 

首都 クアラルンプールは Kuala Lumpur と書き

”泥の交わるところ” という意味なのも納得で

実際にクアラルンプールで見た川も
落ちたらまず助からないな…  という泥色だった。

面白かったのは、その泥の河から ”ほぼ入れ食い状態”で
上半身裸で釣りをしている人がいっぱいいた事だ。
(釣れていたのは結構大きな、白身魚だろうという魚だった)

橋の下や その近辺で住んでいる人たちに見受けられたが
真相は分からない。

 

クアラルンプールは大都会だった!!

とにかく高層ビルだらけ!建設バブル真っ盛りで、僕らの年代が体験していない

  バブル期だった!

実際知り合った中華系のマレーシアン達は

不動産関係で ”稼ぎまくっている” らしく

 

米軍キャンプのような囲いの中の

身分証を見せなければ入れない警備員付きの

ものすごい豪邸に住んでいたり。

皆 ブイブイ 言わせていた。

 

建築法もきっと日本みたいに厳格ではないのだろう

3つの高層ビルが並んでいると

ビルの間には通れる通路はなく 間を通れないので

ビルの向こう側の道へ行くのに

ビルを2つか3つ、ぐるーっと、廻って行かねばならず

10分以上かかることもある。

 

この間まで大通りから見えていたビルも

その前にさらにドーンと!新しい高層ビルが建って

  ん…? あれ?

       あのビル無くなった?? 

と思わされる事もあるらしい。

 

そして、ほぼみんなが最低限の英語が話せるので、教育水準も非常に高いと思う。

アジアを旅するなら、英語がほとんどの場所で通じるマレーシアは、英語が義務教育の日本人には、旅がしやすい国であると思う。

事実、マレーシアは、外国の人に優遇しているので、ここで暮らす日本人、余生をマレーシアで過ごす年配の方も多いらしい。

 

物価も安い。

お酒だけは、お酒が禁止のイスラム教の国家なので、税金が高く、日本と同じか、場合によっては日本より高い。

 

僕がすぐ覚えた英語の一つがexpensiveだった。

バックパッカーは、とにかくお酒について、expensive!expensive!(高い!高い!)

と言っていた 笑

 

そしてKLで気をつけなければいけないのが

タクシーだと教わった。

パスポートを盗まれたり、強盗にあったり、ボッタクられたりが多いらしい。

特にたとえホテルからでも

「ミスター! ミスター!」

と急に声をかけてきて

握手をしてくるような運転手は要注意だ !

(明らかに人相が悪い 笑)

 

運転手にも縄張りがあるらしく

ホテル専属らしい運転手たちに囲まれ凄まれ

犬でも追っ払うかのように シッシッ!! と追い払われていた。

追い払った運転手があとで親切に車内で

 

「あいつはタチが悪いんだ!

 すぐパスポートを盗むし!

 お金もちょろまかす!

 乗らなくて正解だ!

 ああいう輩のせいで

 俺たちまで評判が下がる!!」

 

と親切にまくし立てていたが。

どっこいこの運転手も目的地にたどり着けずに

挙句に

「もう他のお客を乗せたいから降りてくれ!

 迷って時間がかかったから

 割増料金がいる!」

 

と言い出し、友人のマレーシアンと大喧嘩になった 笑

 

こういったトラブルを避ける為 アメリカで生まれたのが、いま日本ではイーツで有名な ”Uber” らしい。

 

ウーバーだと会社に登録しているので足がつくし、星によるドライバーへの口コミもある。(ただ、素人が小遣い稼ぎでやってる場合も多い)

場所を入力し 計算してくれ

クレジットで ”先払い” なのでトラブルが少ない

 

だからクアラルンプールでタクシーに乗るときは「Uber」か 

シンガポール生まれの「Grab

のどちらかで頼むのが確実らしい。

東南アジアでは「Grab」を多く見かける

バイクタクシーもある。

 


聞いたところによると
マレーシアは大きく分けて三つの民族から成り立っている

 

もともと住んでいたムスリム(イスラム教徒)の
 ・マレー系と呼ばれるマレーシア人

 

 ・印僑のインド系マレーシア人

 

 ・華僑の中華系マレーシア人


その為 町には
モスク ヒンドゥー教寺院 関帝廟 
の三つが混在している。

 

あまり見たことのない状態である

世界的にもだいぶ珍しいのではないだろうか

 

ちなみに 
観光地のバトゥ・ケイブは 隠れヒンドゥー
秘密裏に信仰を続けていた 巨大洞窟だし。

 

参加者がトランス状態になる為

”危険すぎる”

本場インドでも禁止されているヒンドゥー教

  秘祭 ”タイプーサム”

が、ここマレーシアのペナン島では

未だに世界最大規模で行われている。

 

マレー半島の南の端の国 シンガポールなどは
中華系のマレーシア人が独立して作った国である。

 

もともと住んでいたマレー系の人たちに
他の民族は 遠慮してきたのではないかと思うところが、結構あった。

 

わかりやすいのがお酒事情だ

この国は元々のマレー系の、基本的には

  ”ムスリム国家” なので

イスラム教で禁止されているお酒類

よっぽどの観光地
(例えばブキビンタンのアロー通り マラッカ ランカウイ島やペナン島)
などでなければ大っぴらに飲めない

レストランも、スーパーも、コンビニでさえ
マレー系の人がやっているお店では

絶対お酒は扱っていないし

中華系のレストランも
お店が外としっかり区切られていないと
お酒を扱っていない

ビール片手に散歩なんてのは ”もっての他だ”


また
友達の中華系のマレーシアンは
外でも家でも 食事の時はお酒は飲まない
家に帰って お酒だけ飲むのである

日本みたいに
お酒と食事はセットになっていない。

これは僕の考えだが

長い間マレー系の人たちに遠慮して
(時に血なまぐさいことになるのを避ける為に)
中華系の人達には
こうした 人目につかないところだけで呑む習慣が定着しているのではないかと思っている。

 

それと 観光地政策の結果 ”外国人の飲酒” により、この国のマレー系の人達は
徐々にムスリム以外の飲酒に
寛容になってきたのではないだろうか?

僕が勝手に感じた事だが
マレー系の人は元々南国気質なのか
あまり経済活動(つまりお金儲け)が得意ではない印象である。

中華系の人が経済を回して お金を儲けまくっている印象だった。

 

マレーシアではマレー系の人の為の経済優遇政策が法律で通ったという話も聞いた。

 

僕はそんなに現地では感じなかったが

この三つの民族の子供たちが握手をする
融和啓蒙のCMをわざわざ政府が流していたとも聞いたので

実際は 相当仲が悪いのかもしれない。。

 

僕の印象は三つの民族は

 

 棲み分けが出来ていて
 あまり他の民族とは関わらない

 

という感じだ


そして
マレーシアのイメージは? と聞かれて思い浮かぶのは

とにかく暑い国! である。


赤道直下なので
地図を見ただけでも 暑く 感じる!

モーレツな暑がりで 汗っかきな私には

暑すぎる国 マレーシア と記憶され
戻ってこようとは しばらく思えなかった

 

ベトナムに着いたときなどは 

 「暑いが全然まし!天国や!!」

 と思ったくらいだった。

 

二年後に再びマレーシアを訪れたが、不思議なことにそこまで ”暑い”とは感じなくなっていた。

初めての体験した熱帯の東南アジアの国の為、余計 "暑い国" だと記憶されていたようだ。

 

 

 

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↑ KLタワーから


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↑ 人生初めて行った”青いモスク”


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↑ アロー通りの行きつけの店


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↑ @hotel 滞在中  いつも洗濯していたコインランドリー


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↑ 夜のペトロナスツインタワー

 

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↑ 国立モスク


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↑ パサール・セニ チャイナタウン


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↑ バトゥ・ケイブ


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↑  秘祭タイプーサム

 

 

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