猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

マラッカを平和に過ごす。

 

第40話

マラッカを平和に過ごす。

 

昨日は夜遅くまで、色々出歩いていたので、昼前に宿を出た

 

昨日、宿の近くで、安くて美味しい 小さなお店を見つけていた。

そのお店にブランチを摂りに出た。

一つ路地を入ったここは、ひらたい麺の焼きそばがメインの店なのだが、とっても美味しい!

それでいて、一皿130円程だ。

(後で調べるとチャークイッティアオという

 マレーシア版のパッタイとでも言うべき

 焼きそばが メインの店である)

 

他のメニューも美味しそうで、時間が許すなら 全メニュー制覇したくなっていた

若い主人が一人で切り盛りしていて、珍しくオシャレというか、洋風な格好をしている

チノパンにシャツで、黒色の綺麗なキャップをかぶり 長めのサロンを締めている

ここは、地元の常連さんばかりで、新聞を読みながらゆったりしている人もいる

 

観光客は 昨日も今日も僕だけだ

今日は餡かけ焼きそばにする事にした

席に座って焼きそばが来るまで缶ビールを一本頂く。 良い朝だ 笑

 

僕は飲食のバイトも長く、調理師免許も持っているのだが、その僕が見ても 惚れ惚れするような手捌きである。あっという間に中華鍋から魔法のように美味しそうな一皿が出来てきた!

早速食べてみると、口の中で餡の旨みが爆発する。

 ウンめェえええ!! メ"ェェエエエエエ!!

美味しすぎて またしてもヤギと化した僕は、一気にそれをかっこんだ。

 

「その料理の為だけに

 旅をする価値のある 卓越した料理」

 

と勝手に「ミシュラン三つ星」をあげ、僕は川沿いを目指して、散歩に向かった。

 

僕の部屋には現在も女性が4人泊まっている。

メンバーは、毎日1人づつ変わっていったが、僕以外は全員女性の日が続いている。

 

宿の主人のサムは 毎日

「マサミ…  ソウリィ...

 今日も女性だけなんだけど。。」

と言い。

 

僕が

「ノープロブレム! アイ ライク ガール!

 サム グッジョブ  笑」

と言う会話は もはやネタと化していた

 

同部屋の皆は、とても素敵な良い人ばかりだった。

夜に、それぞれのベッドに腰掛け、楽しく話をすることも 多々あった。

一度など、15歳の女の子が、学校見学の為にマラッカに来たとの事で、1人でこの宿に泊まりに来たことがあったが、皆、親切にしていた。夜はみんなで 彼女の「プチ人生相談」を始めていた。みんな 百戦錬磨の旅人であり、人生の 達人たちだ 笑

一回だけ、僕が 疲れ切っているところに、お酒を飲み過ぎて 物凄いイビキをかいていたらしく。。同部屋のブラジル人のエレナさんから

「ヘイ!マサミ!!ベリーノイズぃ!」

と揺り起こされた以外は 平和そのものであった。

 

散歩の話に戻ろう。

宿の隣の道である ジョンカー・ストリートに出た辺りで、同部屋のスウェーデン人の、クリスティーンに会った。

クリスティーンは、20代前半で、身長は僕より少し低いくらいの結構大柄な、少しふくよかな女性だった。大人しい 穏やかな優しい声の、雰囲気の柔らかな上品な女性だ。

 せっかくなので一緒に周らない?

と言うと 「はい、そうしましょう」

と言ってくれた。

彼女は自分へのお土産を探していると言う。

なんでも、旅した国の "国旗のピンバッジ" を集めていると言う。バッグに着けている これまで旅した国のピンバッジを僕に見せてくれた。

 

 あれ?日本にもきたことあるの?

 

 はい、行きました。

 とても素敵な国でした〜

 

何かほんわかとした、いい娘さんである。

 

一緒にピンバッジを探していると、2軒目で見つかった。クリスティーンは、他のお土産にも興味を示し、本当に楽しそうだ。

僕は あまりお土産には興味は無い人なのだが、クリスティーンを見習って 一緒に周っていると楽しい。また一つ 旅の楽しみを 旅仲間に教えて貰った。

 

ご飯の話になり「美味しいお店見つけたよー」

と言うと「教えてほしい!」と言われたので、さっきのお店に連れて行き

「ここがミシュラン三つ星店です 笑」

と言うと

 オォー 本当に?凄いわね〜!

と冗談を真に受けてしまったので、冗談だと。ちゃんと説明した

(本当に素直な いい娘さんである。。)

 

ブルハムの時もそうだが、何となくお国柄を感じる 気持ちの良い人に出会うと、その人の国に行ってみたくなるものである。

スウェーデンかぁ。。いつか行こう)

と僕は密かに決意した。

 

一緒に川沿いに出たところで、綺麗な景色を描いている画家さんの画廊に出た。色遣いが好きだったので、中に入ってみた。

画廊の主らしき人を見つけて話しかけると、その人が作者で、色々説明してくれた。

「2階にも絵があるから見に行ってみてね」 と言われて2人で2階にも上がってみた。

巨大な絵画もあり、見応え抜群だった!

 

僕は演劇の先生からその昔、「役者は美術館に行きなさい」と言われた。僕の尊敬する俳優 山崎努さんの「俳優のノート」でも、山崎さんは、絵画からシーンイメージを作っていた

なので、僕はたまに美術館に行く。

一番好きな画家は、ゴッホ岡本太郎だ。

ルノアールの柔らかい絵画も好きだ。

 

そんな時、僕は感覚で絵を見る様にしている。絵の説明よりも、ビビッときた絵の前に、30分か、一時間くらい 離れたり、近づいたりしながら、その絵を堪能する。

 

2階で 気に入った景色の絵を 僕は見つけた。

柔らかいグリーンと 淡いブルーを使った 湖と森の絵だった。

 

その絵の前にしばらく立っていたが、クリスティーンは文句も言わず、一緒にいてくれる。

少し悪いなと思って

「ごめんね、時間かかっちゃって。。」 と言うと

 全然待ってないわ。もっと見なくていいの?

と逆に心配してくれた。

(こんなのんびりとした優しい人に この国で初めて会ったなぁ)

と僕はだいぶ旅の疲れを癒された。

 

さらに川沿いを散歩し。

また 日本に来た時の話になった

夏に来てお祭りにも行ったそうだ

 

 浴衣は着たの?

 

 わたしは見ての通りだから。。

 サイズが無いだろうし…

 

僕は きっと似合うだろうなぁ と勝手に思っていたし、最近は日本女性も背が高いと説明して

浴衣姿の彼女を見てみたいと思ったので

 

 そんなことないよ !

 ぴったりのサイズの浴衣もあるよ。

 きっと似合うから次は着てごらん。

 

と少し強く言うと、彼女は少し恥ずかしそうに

 

 じゃあ、今度日本に行ったときに

 トライしてみるわ。。

 

と嬉しそうにはにかんだ。それを見て僕も少し照れてはにかんだ 笑

 

(なんか妙な雰囲気になってしまった 苦笑)

 

なに微妙に口説いてんだ俺は??

いや 口説いてはいないか 笑

と思わず苦笑する。。 なんか平和な一日である。

 

マラッカに到着してから  怒涛のミッションだったので、なんだかんだで気を張っていた。

なので、本当に気が休まる。

クリスティーンとの散歩で だいぶ癒された。

 

それから、さらに 2人でぶらぶら歩いてから、彼女は 「疲れたので宿で少し休むね」

と言って宿に帰って行った。

 

僕はその後、街全体を見渡せるマラッカタワーに昇ることにした。

マラッカタワーとは、エレベーターで上に上がるのではなく。

巨大な窓付きの円盤に乗り、その円盤が頂上まで昇っていくという、遊園地にでもありそうな乗り物である。

回転しながらゆっくり昇っていくので、360度マラッカを見渡せる。

円盤がゆっくり昇っていくと もの凄いパノラマが眼下に拡がる。

海や 綺麗に整備された街並みや、美しく並んだ家々も見える

上から見ると、

いかにマラッカが 本当に美しい街であるかが 良く分かる。

 

前から思っていたのだが、ここマラッカは 一日あればひと回りできる割には楽しめる。

観光地がギュッと固まっている 周りやすい街。。僕は旅公演で訪れた 大好きな博多を思い出していた。 何か近いものがある。

 

そんなことを考えているうちに円盤は地上に戻って来ていた。

 

下に降りると、例のリキシャが 縦列駐車で大量に待機している。

夜は電飾で美しく輝く、キティちゃんや ピカチュウ達である。

 

マラッカは、このマラッカタワーの下と レッドハウス前広場が、勝手に車寄せになっていて、いつも彼らはそこで待機している。

不思議なのは、あまり商売熱心では無い事だ。ほぼ客引きをせずに 遊んでいるように見える。たまに客引きしても、あっさり引き下がる。こんな淡白な運転手達は 初めてだったので、、これはもしかしたらマラッカっ子の特徴なのかもしれない。。

そんなことを考えながら、広場にいる野良猫を撫で、僕は次のミッション。

 サンセットポイントをゲットせよ!

の準備に入っていった。

 

続く


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↑ マラッカタワーから

 

https://m.youtube.com/watch?v=EjBbq3Am-1w

↑ マラッカタワーこれから乗車(動画)

https://m.youtube.com/watch?v=kqbm0CoG4ys

↑ マラッカタワーから見た街並み(動画)

 

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↑ マラッカの三つ星レストラン

 

 

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↑ マラッカタワーのすぐ下の広場の

     エレクトリカルパレード(色々無許可)

 

 

次話

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