猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

マラッカの夕陽とストリートライブ

 

マラッカタワーから降りて

久しぶりにマクドナルドで 夕飯を食べた。

 

たまに 日本で親しんだ味が恋しくなる。

どの国でも安定のマクドナルドだ!

だが、地元のローカル食堂より割高だ。。

 

地元の コスパ抜群の食堂で、いつもご飯を食べていると、マックはちょっとしたご馳走に感じる。 " 日本とは逆の感覚だ "

 

一旦宿に戻り、宿屋のサムに 夕陽ポイントを聞いたが、あまり要領をえなかった僕は

  「教えて!Googleマップ先生!」

と言いながら、iPhoneを開いた。

 

今日は夕陽を絶対に見ると決めていた僕は、Googleマップ先生で見て、マラッカの 海側に一番飛び出している 南側の一番何もない場所 に向かった。

この間の、恐怖の野良犬ストリートより「マコタ・パレード モール」寄りの東側に、海に沈む夕日が見えそうなポイントがあった。

マップを頼りに川沿いを南下し海に向かうと、日本と違い、川には ほとんど橋は掛かっていないことに気付く。 なかなか向こうに渡れない。。

レッドハウス前以外 橋は、海側には 海のすぐそばの 国道の橋りょうの道路しかない。

やっと着いたその橋の頂点から 夕陽が見えた。

綺麗な夕陽だ!!小説で紹介されていた程大きく無いが、、真っ赤な 本当に美しい夕陽だった

 

しばらくそこから夕陽を眺めていたが、僕はさらに海側に向かうことにした。

橋を東側に渡り終えて、少し進むと、マップ上で 一番海側に飛び出している場所にあったのは、2階建ての ショッピングモールだった。

 

海に向かって縦長に伸びているそれは…ゴーストモール化していた。。お店が ナッシングモールである。

一番手前の二軒だけが、周りのホテル客用に、地元のコンビニと カフェになっていたが、奥は全てシャッターが閉まり、廃墟と化していた。

僕はさらに奥の海側に行く為に、2階に上り、奥へと進む。2階は廃墟とシャッターが迎えてくれる。

奥が長いために、人を乗せて移動する用に用意したのだろう。ムカデのように繋がった10人乗りのカートが5台程あった。だが 全てほこりをかぶっている。。

もはや ゾンビでも出てきそうな雰囲気だ

 

長い。。 さらに奥に進む

 

コンクリートもだいぶ汚れて煤けている。

100メートル以上は進み、一番奥に行くと、右手に夕陽が見える。

 海に沈み行く夕陽だ!!

ついにマラッカで、素晴らしいサンセットポイントにたどり着いた!!

ミッションコンプリート!!僕は歓喜していた!!

 

そしてその一番奥には、、何故か一軒だけ

カラオケボックス」があった。。

 

 うーん。。謎だ?!

 

何故 ゴースト シャッター モールの一番奥にだけ、カラオケボックスが "一軒だけ" 生き残っているのだろうか。。?

 

僕は一瞬、夕陽を楽しむため、ビールだけ売って貰えないか交渉しようと、ガラス戸から中を覗いてみたが、、人の気配はなかった。。

電気と電飾はついていて、綺麗なままなので、営業はしているはずである。

 

…何か犯罪の匂いがする。。

 

恐ろしくなった僕は

「何が起きても変じゃない?! 」と耳を澄ませながら、夕陽を見ていた…だが、

 

 …なんか。。夕陽に集中出来ない。。

 ちょっと怖いな…やっぱり ここ。

 

僕の危険センサーが作動し始めたのと

気が休まらないので、宿に帰ることにした。。

 

帰りは暗くなりつつあり、廃墟がさらに恐ろしいものに見えた。。今ゾンビに襲われたら 一巻の終わりである。

 

 日が暮れる前に戻って良かった 泣

 

とモールを出た時に心からそう思った。

 

マラッカの海側は、高級そうなホテルも何軒か建っているのだが、、野良犬ストリートやら、ゾンビモールやら、なかなか闇も深い。。

 

何事も自分の足で行って見ないとわからない。

僕はマラッカという街を少し捉えた気がした。

 

その後 一旦宿に帰り一眠りしたが、やっぱりお酒が飲みたくなった僕は、10時過ぎに、夜のマラッカに繰り出した。

宿のすぐそばの バーのマスターが呼びかけてきたので、メニューを見せてもらった。

そんなに高く無い。お客は1人もいない。僕が悩んでいると、ハッピーアワーだから、生ビール一杯の値段で2杯出してくれると言う。

お客がいないので、勝手にハッピーアワーを始めてくれたようだ 笑

ようは、サービスするから、寄ってね。

という事である。

マスターと話しながら呑んで、いい気持ちになってそこを出た。

そして その二つ隣の安宿の玄関の、ガラスの引戸を開け、小さなカウンターにいる主人に話しかけた。

ここの宿は、カウンター横に冷蔵庫があり、深夜にビールを買う時はここで買っていた。

泊まってなくても売ってくれるように、2日目の深夜に徘徊している時に 交渉しておいたのだ。

言い忘れていたが、ここマラッカのレッドハウス付近はコンビニが存在しない。

なので、夜遅くにビールを買おうと思ったら、このように売ってくれるお店を探し出しておかなければならないのだ。

 

ビールを片手にハードロックカフェを通る。

いつものように、中からは爆音を響かせている。興味はあるが、値段が高いので、中には一度も入った事はない 笑

 

橋を渡ると今度はリキシャの爆音BGMが聞こえてくる。。

 

レッドハウス前の広場にもストリートミューシャンがライヴをしている。

 

音源から離れて、新たな音源に近づくと新しい音楽が聞こえてくる。

 

広場のミュージシャンに近づいたときに、 オヤッ?っと思った。

日本語の歌だ!   しかも曲名は

長崎は今日も雨だった」である!!

 

ミュージシャンを見ると、40代後半で痩せていて、ジーパンに 白の半袖シャツをし そこにGジャンのベストを着ている。

椅子に腰掛け、マイクをスピーカーに繋ぎ、ギターと、ハーモニカで曲を紡ぎ出す。

顔を見ると、忌野清志郎さんに似ている。

僕は衝撃を受けた!

 

 ”こんな異国で、日本人が

       ストリートライブをしている”

 

しかも選曲が渋すぎる!! そしてその曲はマラッカの街と河に染み渡る。

 マラッカには歌謡曲が良く似合う。。

僕はそう確信した。

 

ビール片手に、川面を見ながら彼の歌を聴いていると、行ったことはない長崎にいる気がしてくるから不思議だ。。

 

 日本から遠いこの地で、日本人が

 日本の歌でストリートライブをしている!

 

僕は感動してしまい、彼に何か差し入れをしようと思い、北側にお店を探しに歩きだした。

 

しばらく行くと、何故か ”ボブ・マーリー” のTシャツばかり店頭に並べている店があった。

僕の記憶が確かなら、レゲエの神様でジャマイカ人のはずである。

ここならビールとか置いてありそうである。

中に入ってみると、ボブ ボブ ボブ、、マーリー マーリー マーリー。。

ボブ・マーリーグッズのオンパレードである。

帽子もタオルも指輪もショップの商品すべてがボブ・マーリーである。

ほんとに疑問だが、こんな所に何故か 深夜営業しているボブ・マーリー専門店がある。。

 

失礼かもしれないが。。本当に主観だが

 ここには ちょっとヤバ目のお薬しか

 置いていない気がする。。

勝手にそう思った僕は、店員が見当たらず 人の気配が無い内に そのショップをそうっと出た

 

店の周りを、改めて探してみると、個人経営の小さなストアーがあった。

インド系のおじさんが店番をしている。

店内をみると、やはり! ビールを置いている。

僕はビールと水と、差し入れ用に マレーシアの炭酸ポカリこと、ソフトドリンクの「100」を買い、広場に戻った。

 

チップ入れの箱に、威勢よく、5リンギット札を入れ、

「差し入れです」と「100」を、勢いよく、パシっと 箱の横に置き

「日本の方ですよね?!」

と聞いた。

 

 "決まった!"   完璧なコンボである!

 

すると!!

 

「ハーイ ワタシはジョンです

 マレーシアの人です!」

と返され、僕はずっこけた!!

 

 なんで、マラッカで マレーシア人が

 マニアックな歌謡曲 謡っとんねん?!

 

僕は コケながら話を聞いてみると、

少しアクセントは変だが、日本語で教えてくれた。

おばあさんが日本人で、日本の歌と日本語は、おばあさんに習ったとの事。

 

ここでいつもストリートライブをしているらしい。

持ち歌を聞いてみたところ、どうやらおばあさんは、前川清さんと、坂本九さん、谷村新司さんが大好きだったようだ。

 

話しているうちに、意気投合し、一緒に歌おうと言う事になった。

ジョンが伴奏をしてくれる。

最初は坂本九さんの「上を向いて歩こう」からである。

前奏をギターで弾いてくれ、僕に歌わせてくれる。間奏はハーモニカである。サビはハモッてくれる。

この深夜のストリートライブのお客様は、いったい 何を仕事にしているのかわからない 不思議なオッサンが2人である。

後は周りにちらほらと、人が広場に腰掛けている。

僕の ストリートライブデビューは、海外のマラッカで、オッサン2人の前であった。

僕は俳優で、声優としても「声がいい」とのことで、使われていた。

歌もそこらの人よりは上手いはずである 笑

何より舞台出身なので、発声がしっかりしている!

 

一曲歌った後、ジョンは、大いに僕を気に入り、続けて3曲歌わせてくれた。

二曲目は、谷村新司さんの「昴」だった。

歌詞をうろ覚えな時は、"船場吉兆の女将" のように 歌詞を先に囁いて教えてくれる。

なので安心して歌える。

ジョンは

「キミはダイスキネー!!

 シンでぃー!たにむらサァーン!!」

とご機嫌だ。

その、シンディーさんの「昴」を歌う前に 差し入れた「100」をジョンに進めたところ、

彼はストローをさしてある 自分のジュースの缶を持ち上げ、

「ワタシにはコレありますネ。

 コレ(100)はアナタ飲むねー!!」

と言った後で

「そうだ!コレ呑んでミルネー!」

と、何故かそのストローのささった 自分のジュースを勧めてきた。。

僕は

(何が悲しくて、初めて会ったオッサンと

 間接キスをしなけりゃならんの?)

と思ったが、歌わせてくれた人の好意である…

もう、一曲歌ってしまった手前 無下にも断れない。。

僕は俳優だ! ストローを手でうまく隠しながら、呑んだふりをして、

「うん、、うまいね!ありがとう。」

と返すと、

「キミは飲んデ無いネー!」

と何故かバレた。。

しょうがない!と腹を括って 一口飲む!!

その瞬間、口の中が カッと 熱くなる!

とんでもなく濃いアルコールが混ぜてある…

 

僕が 「ぐはぁっ!!」とむせると

ジョンは大喜びで大笑いしている!

確かに飲んだふりは、すぐにバレる濃度だ!

僕も大笑いだ!!

 

その瞬間、俺たちは親友になった!

気がした… 笑

続けて

「逢わずに愛して」「長崎は今日も雨だった

を歌った。

「逢わずに愛して」に至っては、あまり聞いた事もなく、歌ったことが無いので、なんとなく一番だけ歌い切った。

ジョンは日本語の歌をいっしょに歌えて、大喜びだ。

その後、ジョンの歌も聴き、帰ろうとした所、一緒に家で飲まないか? と誘われた。

 車で来てるカラ 送ルから!

と言われたが、、あんな強い酒を呑んでる人の運転は怖い。。断り続けると、彼はしまいには駄々っ子のように僕の手を両手で引っ張り

「マサミ〜!イコ!行きまショー!」

と誘ってくる。

僕は「また来るから!!」

と約束をしてやっとこさ離してもらえた。

彼も久しぶりに日本語で話せて嬉しかったのだろう。彼が、気のいい おばあちゃん子 だったであろう事が 何となく分かった。

 

僕は宿に帰り、ベッドで、人生初のストリートライブの興奮を噛みしめていたが、

疲れからか いつのまにか深い眠りについていた

 

続く

 

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https://m.youtube.com/watch?v=1YZIvnR7-ag

↑ ジョンとのストーリートライブ 動画

 

https://m.youtube.com/watch?v=95clnLdX86o

↑ マラッカにはよく合う ジョンの

 「長崎は今日も雨だった」動画

 


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↑レッドハウス前の風車

 

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↑ ボブボブボブ・マーリーマーリーマーリー

 の謎の店