猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

空港到着

 

第3話

空港到着

 

2017年 5月10日  午前5時45分

 

ついに!

ついに! 初めての外国の地に降り立った!!

 

 

ふと、まだ暗い飛行機の機内で目を覚ました僕は、そのまま眠れず、あと30分程で着くはずの飛行機の窓から、外の景色を眺めていた。

飛行機は暗闇を飛んでいたのだが、到着時間が近付くと、

眼下には、蛇行しながらずっと先まで伸びる、かなり明るい光の線が見え始めた。

その、細い川のように見える、金色の綺麗な明かりを見ていた僕は、

ワクワクした気持ちと、胸の高鳴りが抑えられなかった。

 あの光はずっと伸びているが、国境なのだろうか?

 いや… 国道なのかもしれない。。

などと空想しながら、明かり以外、何も見えない窓の外を眺めながら、

僕は、まだ見ぬマレーシアの大地を想像していた。

 

そうこうしている間に、やがて微かに夜が明け始め、

まだ仄暗い空港へ、飛行機は 到着予定時間よりも 15分程早く到着した。

 

クアラルンプール国際空港、通称 K L I A
金正男さんが暗殺されたことで、ある意味有名になってしまった空港である。

 

バックパッカー初心者の僕は、出発前に羽田空港で、ある失敗をしていた。

機内に持ち込めるのに、バックパックをうっかり預けてしまっていたのだ。

飛行機から降り次第、とにかくバックパックをゲットしなければならない。

 いや… その前に入国審査なのだろうか?

などと考えながら、何もかも 処女航海な僕は、飛行機から降りると、ドキドキしながら、とりあえず人の流れに着いていくことにした。

 まぁ…

 ”人の流れについていけば何とかなる” とは

 沢木耕太郎さんの小説にも書いてあったからな。

と安易に考えていた。


ところがである。

飛行機を降りて、人の流れに着いて行ったはずだが。。

いきなり地下鉄的なところに出て、
乗客は皆、ホームから綺麗な電車に乗って行ってしまった。。

 

 えええ? いきなり電車?!

さすがに日本でも飛行機には、6回以上乗ったことはある。
だが 飛行機を降りて、いきなり電車が姿を現した事など、一度も無い。。


いくら外国の空港とはいえ、


(いきなり電車に乗っては ダメに決まってる!)


と思った僕は、呆然とそれを見送った。
電車が行ってしまった後、多少の思考が回復した僕は、


 あれ?
 ま、マレーシアって、入国審査無いんだっけ?
 それとも、、
 VIP の流れに乗ってしまったのだろうか。。


と 現状をまったく把握できてはいなかった。

 

とにかく周りを見渡して 情報を得ようと試みるが、
あまり英語が得意でない僕は、
標識をみてもあまり良く分からない。。

とりあえず、いったん飛行機を降りたところまで戻って、
逆方向に行ってみたが、
行き止まりになっていた。

 

もう周りには、他の乗客は、一人もいない。

 どうしよう…。
 次の便が来るまで待って
 その人たちに付いて行こうか?

次にいつ来るかわからない飛行機を待とうかと
本気で思うほど、ちょっとパニックになっていた。

 

改めて先ほどの電車のホームに戻って、

少し深呼吸し、改めて周りを見回してみると

  information

と書かれたところに、ホテルマンのような、
上品な、若い男性が立っていた。

 あぁあ!
 いんふぉめーしょン!!!

 俺にも読める英語だ!!
 
 インフォメーション!!!


先程は何故か気付かなかった。

ニコニコして立っている細身の若い男性に、
片言の英語で話しかけてみた。

 へ、ヘロー、
 えくすキュウズミー。

 

 OH. hello.

 

 おお、英語が通じるぞ!!
 すごいぞ、マレーシア!!

などと意味不明な感動を覚えつつ、

何とか聞いてみると、

 

 ”とりえず電車に乗りなさい”

 

ということが分かった。

 飛行機に預けたバックパック。。
 まだゲットしていないんだけど。

 

 大丈夫。 乗りなさい。

 

僕は、彼を信じて、とりあえず電車に乗ってみることにした。

 

続く

 

 

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↑空港から見た朝日

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↑ 安心安全の全日空

 

 

次話

 

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