猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

太陽の地 マラッカへ

 

第35話

太陽の地 マラッカへ

 

いまさらだが、僕の旅の計画には当初、

"マレーシア" と言う国は存在しなかった。

 

僕は、元々マレーシアに行くつもりは無かったのだ。

 

たまたま従姉妹が

「マレーシアから旅を始めてくれたら

 7年ぶりに会えるよ!」

と言ってきたのでこの国に来たのだが

 

来てよかったと思える経験をいっぱい出来た。

そして、人生初めての外国としては、過ごしやすい国でもあった。

出国前に「深夜特急」を読み直した時、沢木氏が、いかにマレーシアで「旅」を したかも再確認し、マレーシアは、僕にとってかけがえのない場所になっていた。

そして旅の後 マレーシアが好きになっていた。

 

そんな僕には、小説の影響もあってか、どうしても行きたい場所があった。

それは "サッカー少年だった" 僕に刻まれている地 「ジョホールバル」 では無い。。

 

その地は  マラッカ  だった。

深夜特急」では  "世界一大きな夕陽だった"と記されている、マラッカ。

マラッカ海峡 という、場所は分からなくても、

名前だけは 社会の教科書で何となく覚えている人を惹きつける場所、 響き。。

   マラッカ MELAKA

僕は 北側に位置するランカウイ島から、南方のマラッカに行くことにしたのだ。

 

アイリーンに、

I'm advance to next place.

とカタコト英語で情熱的に伝えると

 じゃあ、明日は泊まらないのね

 わかったわ 気をつけて行ってらっしゃいね。

と優しい笑顔で 暖かく送り出してくれた。

 

僕はマラッカに行く為に、安く取ろうと 英語表記のホームページに挑戦して、悪戦苦闘の末

なんとか格安のクアラルンプール空港までのフライトチケットをインターネットで買っていた。

そして、KLIA国際空港からは、マラッカ行きの高速バスが出ているらしい。

 

朝早くタクシーに乗り 僕は空港へ向かった。

(タクシーはアイリーンが手配してくれた)

 

ランカウイの空港は 平家というか、一階建ての平地で、待合のスペースもガラス張りで、滑走路や、飛行機が 全て見えている。

その滑走路に続く、ガラスのドアの前へ チケットを持って並び、飛行機の準備ができたら そこからスタッフに引率してもらう。

飛行機まで 徒歩移動するシステムだった。

 

なので、気を付けていないと、

 " 乗る飛行機を間違える "

 

案の定、乗る飛行機を間違えていた 僕の前の席の中年の御夫婦は、無線を貰ったパーサーから

 飛行機をお間違えではありませんか?

と聞かれ、ハッとして気付き、タラップを降りて結構離れた隣の飛行機に走って行った。

窓から見えた、大きな荷物を抱えながら 全速力で必死に走る外人さんは、中々な光景である。。 間に合います様に…

 

そして、このマラッカへの旅には実は 一つ 大きな目的があった。

 

僕の旅の目的は、従姉妹と再会した事で、後はベトナムで俳優仲間と合流するという以外 もう何も無くなっていたはずだったが 実は旅先で出会ったある女性から

マラッカに行くのなら 是非尋ねて欲しい人がいる。

 " 貴方にしか頼めない "

と「人探し」を依頼されていたのだ。。

 

その依頼者は、誰であろう ペナンで一緒だった 宮下さんだった。

実は彼女、ペナンでお会いした期間は、本当は マラッカに行く予定だったとの事。

 

大学生の時、マラッカで道に迷った時

ケルビンさんというおじさんに、助けてもらった事があり、それ以来 "文通" をしていたのだが、

今回マレーシアに訪れる際に「会いませんか? 」とエアメールを郵送していたのだが、

文通を始めて以来、初めて返事がなかったという。

 

色々事情があるのかも。。 という思いと、

(何かあったのでは無いか…?)

と 少し恐怖感もあり、遠慮して マラッカでは無く、ずっと行きたかった もう一つの地 ペナンに訪れていたとの事だった。

 

僕と宮下さんは、お互い撮りあった写真を送る為に LINEを交換していて、その後も少し やりとりもしていた。

 

実は僕は 逆に目的が出来、正直張り切っていた。

沢木氏も、ゲンチャイへ 使者としてメッセンジャーを務めており。

僕はいよいよ 何か旅の醍醐味みたいなものさえ感じていた。

が、同時にケルビンさんのことも心配だった。

何があっても良い様に、心の準備だけは ちゃんとして、今日のフライトに臨んでいた。

 

やがて飛行機は KLIAに着いた。

クアラルンプールに戻ってきたという妙な感慨があった。色々あったが、最初に降り立った初の外国の地に 無事戻って来たのだ!!

 

僕はまずは空港の高速バス乗り場を探した。

インフォメーションで聞いてみると、綺麗な女性のスタッフが場所を教えてくれる。

KLセントラル行きのバス乗り場と違い

マラッカ行きの高速バスは通りを挟んで向かいの建物にあると言う。

 

渡り廊下を渡り、向かいの駐車場らしき建物に向かう。

バスチケット売り場に着いたが、4、5社の窓口がある。

 

マラッカに行きたいと言うと、

 一番奥の窓口に行け!

アゴでしゃくられた。

なんか皆、態度が横柄である。。

 

何はともあれチケットを購入した。

緑色のペラペラな紙のチケットで、1時間後の出発らしい。

しかし、ここのスタッフは皆 愛想が無い。。

 

チケットを買って、その待ち時間にご飯を食べようと思っていた所、チケット売り場の隣に、空港やバスのスタッフの方らしき人もいる ローカル食堂があった。

(きっと空港内で食べるより安いに違いない!)

僕はここで昼食を食べる事にした。

 

ビュッフェ的な感じで、色々な料理が、バットに載っている。隣にはお皿とスプーンやフォークが置いてある。

みんなの行動を注意深く観察する。。

皆 まず皿を取っている。 次に2種類ある中から 好みのご飯か、ナンかロッティを自分でよそうか取るかして、そこにさらに欲しい料理を乗っけていく。セルフ ワンプレートを作り、そしてそれを 最後におばさんが "その皿" を見て会計してくれる様だ。

 

日本で言うと、讃岐のセルフうどん方式みたいなものか? と思い挑戦する。

まずご飯である。ターメリックの黄色いご飯はちょっと味が読めなかったので、細長い方の白飯にする。

美味しそうな角煮と、むいて半分にカットしてあるゆで卵、バランスを考え 野菜炒め、骨つきチキン、グリーンカレーも反対側にかけた。

いくらになるんだろう?とドキドキしていたが、なんと!全部で130円と安かった。

 

レジのおばさんが、料理の種類と 目分量でgを計算しているのだろうか? ジロジロ皿を見て 値段を言ってくれる。

 

僕はお腹が空いていたので、早速アルミ製のテーブルに座って食べ始めた。

食堂はそこそこ広く あまり混んでいないので ゆったりできる。

結構ボリュームがあったが、お腹が空いていたので、あっという間に平らげてしまった。

美味しかった! 予想と少し違う味だった料理もあったが、それはそれである。

 

さて、出発まで後1時間ほどある。

このままここで待っても良いが、僕は涼しくて快適な空港内で過ごす事にした。

ちょっと横になりたかったので、空港の 有料のマッサージチェアに座ってみることにした。

 

まずは、お金を入れずに座る マレーシアシステムに挑戦してみた。

 ピコーん♪ ピコーん♪ ピコーん♪

と予想通り 警報音が鳴り続ける。。

 

ピコーん♪ ピコーん♪ ピコーん♪ピコーん♪

ピコーん♪ ピコーん♪ ピコーん♪ ピコーん♪

ピコーん♪ ピコーん♪ ピコーん♪ ピコーん♪

 

 

…無理だ。。

まったく 気が休まらない。。

 

僕は心の平安のために、お金を入れる事にした。

手持ちの1リンギット札を あるだけ入れる事にした。

6枚入れる! 160円くらいである。ご飯より高くつくが 僕は エイヤッ!! っとそれらを全て投入した。

 

すると音はぴたりとやみ、チェアはリクライニングを開始した。

そして僕の疲れた身体を揉み始める。。

 き、気持ちいい。。

 正しい使い方をすると すごいぞ チェアー!

と思いながら、早起きした僕はそのまま眠りについてしまった。。

 

続く

 

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↑ 飛行機から見たマレーシア(開発が進む)


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↑ KLIAへ帰ってきた!!

 

 

次話

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