第172話
僕の見たチェンマイ

チェンマイに飛行場(空港)があるのか、無いのかも、いまだに僕は知らない…
より最北東の端の、田舎のチェンライにはあったので、きっとこの都市のどこかにもあるのだろう。その程度の知識しか、未だに僕は持っていない。
そして、そんな知識でチェンマイを歩き倒していた。
自転車で走り倒していた。
敢えて、全く予備知識なく訪れてみたチェンマイ。
そして、その「敢えて」は今も変わっていない。
なぜなら、旅した後にも、全く何も調べていないからである!
(どんな自慢だ 笑)
それだけ僕が、この街と、出会った人たち、雰囲気に満足したからなのだろう。
(あそこに行っておけばよかったな。)とか、
(他になんかあったんじゃ無いかな?)
などと、一つも思わなかったからだ。
だから僕のチェンマイは、僕の中にしかない、僕だけのチェンマイである。
ここまで語られてきたチェンマイは、
東正実の「脳内チェンマイ」とでも言うべきだろうか?
チェンマイに詳しい、チェンマイ好きの読者の皆様からしたら、筆者であるこの猫好きは、本当に何も知らない、おばかさんに見えるかもしれない。
だが、それでも良いとも思う。
僕の中のチェンマイは、最高に素敵で、最高の人たちがいて、最高にゆったりできる場所だったからだ。
現地で仕入れた情報と、風景、出会った人たちのみで、僕の頭の中チェンマイは出来ている。
僕の旅は、基本は他の都市の周り方も、それに近いところはある。だが、より最低限しか調べずにフラフラしていた街が、ここチェンマイだった。
そしてそういう周り方をしても、全く後悔などなく、楽しい街であるので、逆に僕にはこの周り方のほうが、正解だったのかもしれないとも思う。
それぐらい不思議な魅力のある街なのである。
タイはバンコクも魅力的だが、都会であるが故に、やはり人や、雰囲気がせわしなく余裕が無い気がする。
(それでも日本に比べれば、
はるかにゆったりしているのだが。。)
タクシーさえ乗合であった、ここチェンマイは、高い建物もあまりなく、バンコクにくらべはるかに時間がゆったり流れている。
そのゆったりとした感覚は、人との触れ合いや、出合いにも向いているし、現れている。
不思議と人が人と出会うのにちょうど良い間合い、感覚を呼び起こすのかもしれない。
バンコクでは人と出会うのに、少し積極的にならなければならなかったが、ここチェンマイは不思議と色々な人たちと自然に知り合えた。
それは、タイの人たちだけではなく、このチェンマイという土地に感化された外国の旅人や、日本人ともである。
生まれて初めて乗り合いタクシーに乗ったこの土地は、まず交渉から運賃が決まる事や、人と話す事や交渉で旅が前に進む。
そして、その交渉はゆったりと暖かい。
ぼったくられないようにと、気を張っていたバンコクと違い、ゆったりと交渉できる気がした。
バンコクに比べて、圧倒的に、商売をしている人たちが観光客ズレしていないと言うか、自然体で我々旅人にも向き合ってくれているからである。
どこかそれは、懐かしいマレーシアのマラッカの人々を思い出す、地元感であった。
そして、バンコクに比べて圧倒的にゆったりしているここへは、バンコクに少し疲れた時に訪れるのをお勧めする。
そして、移動は夜行列車がお勧めです。
バンコクの事を思い出しながら、暗闇の中の車窓に消えていく街を見ながら、いつのまにか眠りにつく。。そして、太陽と共に起きた、朝早く動き出した乗客達の喧騒で起こされる。
カーテンを開け、朝飯のサンドイッチを、缶コーヒーで胃袋にゆったりと流し込む。
そして、また車窓から、後ろに消えていく景色を見て、ゆったりと過ごす。
やがて列車は、これまたゆったりと、終点チェンマイ駅に到着する。
朝に、寝起きから少しで着くので、不思議な感覚である。いつもの旅とは全く違う感覚で訪れられる街である。
街への到着が朝早いので、宿を探すにしても、ゆっくりモーニングを取るのも、自由自在。
街に来て、焦らずゆっくりとこの街に滞在する用意ができる。
これは旅の余裕としては、素晴らしい事なのだ。
実際僕は、カフェでモーニングしながらゆったりと宿を探していた。普段は宿を決めてから移動するのだが、何故か珍しく何も用意せずにこの街に入った。
カフェでは、店主の女性が親切に、素敵なホテルを紹介してくれたが、自分の感覚を信じて例のドミトリーホステルを見つけた。
話に聞いていると、ここチェンマイは、宿も安くて良い宿が多い気がする。
バンコクは刺激だらけで、チェンマイはゆったり専門の何も無い田舎だと思われがちだが、実は色々とイベントや、観光にも多くの楽しみがある。
それは、少数民族に会えることや、サファリパークの様なZOOランドがある事、
「いろはにほへとちりぬるを坂」があり、その先の天空の寺「ドイステープ」、ゴルフ場、手技を学べるタイマッサージの専門学校、ムエタイ場、意外と近いゴールデントライアングル、そして、マニアックだが、素敵なお寺さんも多い。
色々と、盛りだくさんで遊べる街でもあるのだ。
ZOOランドの近くには、食のテーマパークの様な、屋台村もある。
ここの駐車場に陣取る屋台の、タイ人のおばさまのたこ焼きは絶品である。
基本的にいく店は決まっていたが、グランマの店、近所の夜遅くまでやっている店、チェンマイ在住のやっさんが連れて行ってくれた焼き鳥と餅米の店、名物のカオソーイが美味しい店など、食べ物もどこも美味しかった。
食もこの街の魅力だろう。
少数民族の方に初めて会えたのも、収穫だったし、そこが意外と近代化されているに、時代を感じたし、放し飼いの犬達とふと触れ合えたのも素晴らしい経験だった。
そして、首長族がここタイのチェンマイの山々にいるのもここに来て初めて知った。
村に入るのに入場料があると聞いて、かなり引いたが、日本であれだけテレビ放送されている事を考えると、きっと世界的に有名なのだろう。
アミューズメント観光地と化しているのは、実はやむを得ない事なのかもしれない。
そして、悲しい象園。。やはり、ここにも闇は存在している。カンチャナブリーの様な素敵な象園ばかりではなく、無理やり働かされている象達も確実に存在する事を、改めて教えてくれた。
とにかくこの街で、僕は人と出会い、また一つタイを好きになり、犬と出会い、少しだけ苦手意識を克服したのだ。
人生でまた行きたい土地、チェンマイ。
いつまでも変わらず、ゆったりとした柔らかな都市のままでいてほしい。
続く。

↑ チェンマイのお寺さん。

↑ 「悲しいCRY覚えているわ♪」な象
生まれて初めて、動物に殺されるかと思った。。


↑ 山岳民族の住む、タイの山々。




↑ 寝台列車は素敵に良い。
トイレはタイの大地へと直通運転だ。


↑ 最高の仲間達と素敵な




↑ チェンマイの観光地は、
ググっと色々と集まっている。
ドイステープも素晴らしい。

