猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

ベトナムの演劇事情に触れる

 

昨日もパブ・ストリートで呑んでいた僕は、

今日も8時半頃 目を覚ました。。

 

 (あぁ、今日も宿のモーニングには

            間に合わないなぁ。。)

 

と僕は顔を洗い 街に出た。

 

いつも通り、椅子のジョンと少し話し、今日は宿の隣の「挟み鳥 焼き屋さん」へ 行く事にした。

 

今日は お婆さまはお休みなのか、おばさんが顔をしかめて暑そうに焼いている。

眉ひとず動かさず、ひたすら焼いていたあのお婆様は(やはり凄いんだなぁ。。)と 改めて尊敬の念が浮かぶ。

 

ここは、お店の中より、道に席が多い。

道側のテラス席?に座り、隣の人が食べているプレートを見ると 本当に美味しそうだ。 焼いた鳥が切り分けられて、ご飯と野菜も乗ったワンプレートであった。

僕は隣の人のお皿を指差して

「あれを下さい」と言うと

おばさんが「あいよ」っと、

盛り付け係のおじさんに伝え、それは すぐに出て来た。先払いの為、プレートを持ってきた時に会計する。90円くらいだ!安い!

 

早速 スプーンとフォークで食べてみる。

ご飯と鳥を一緒に口に運ぶ!!

 

 う、ゔぅ  ゔメ"ぇぇえええええエエ"!!

 メ"ェえ"えぇぇええ"ええ?!!!

 

恒例の "山羊さん" と化した僕は、あっという間にそのワンプレートを平らげた!!

  お、お代わりしようかしら??

と悩んでいたが… 

「また来ればいいや。」

と思い、僕は喉の渇きを癒すために、久しぶりにコーラが飲みたくなった。

 

おばさんに話しかけると、隣のお店の少年を呼んでくれた。

少年にコーラを頼むと、その少年のショップから よく冷えたペットポトルのコーラを持ってきてくれた、ペプシだった。

彼にお金を払い お腹が落ち着き 人心地ついた僕は、コーラをチビチビやりながら ゆっくり周りを見渡していた。

 

しかし、お店もご近所付き合いのようで良い。

ここは 鳥のご飯専門店で、飲み物は置いていないらしい。

お酒や ジュースなどの飲み物は、頼まれたら 隣のショップが対応するのである。

よく出来たシステムだ、 日本のように

 なんでも一つのお店で完結しなければいけない!!

というサービスは、違うんじゃないだろうか?

と僕は改めて、考えさせられた。

 

素晴らしい店が 宿の隣にあることで またしても

  この宿は当たりだ!!ふふふ。。

と思い、宿を選ぶ力がついてきた事に 満足していた。

 

今日はこの後、先日 劇場で連絡先を交換した「ユンさん」と、劇場前で待ち合わせをしていた。

実は一緒に

” お仕事のインタビューに同席させて貰い、その後 ホーチミン市内を案内してくれる” という ありがたい申し出があり、

僕は一つ返事で「お願いします!」と返信し、会う約束をしていた。

 

約束の時間までいったん宿に戻り、準備をして約束の時間の 20分前に宿を出た。

劇場に到着すると、まだユンさんは来ていなかった。

待ち合わせまであと15分ある。

待ってる間にだんだん不安になってきた。。

(忘れていたが、ここは東南アジアだった…)

そして、家を訪ねることはあっても、ちゃんと待ち合わせをするのは初めてである。

 (時間通りに来ないのではないか…?)

と  ふっと 気付いたのである。

 

日陰とはいえ やはり外は暑い。。だが、待ち合わせ場所から動いたら、連絡手段は 宿に戻るか、カフェの WIFIGmail を打つしかない。

腹を据えて じっと待つことにした。

 しかし…初めての人と待ち合わせとはいえ

 自然と何の疑問も持たずに

 きっちり時間の15分前を

 逆算して到着するとは。。

 (やはり僕は日本人なのだなぁ…)

と改めて思い、少し笑ってしまう。

 

しばらくすると、芝居を見た朝に話しかけた 細身の掃除おじさんが、煙草をくわえて劇場から出て来たので、軽く挨拶をする。

向こうも手をあげてニカっと笑ってくれる。

やはり長期滞在のいい所は、挨拶出来る地元の人が増えていくところだ。

 

おじさんに倣い、僕も階段に腰掛け待つことにする。腕時計を見ると、待ち合わせ時間を過ぎている。。

 

隣を見ると、おじさんは 美味そうに煙草を吸って、上を向き煙をゆったり吐いている。

その なんとも平和な光景を見ていた僕は

 まぁ、来るまで待てば、、来るでしょ!

と、謎の境地に至った 笑

 

やがて10分後にユンさんが謝りながらやってきた。

渋滞が思ったより進まずに遅れたとの事だった。

時間通りに来ようとしてくれてたと言う事が、少し意外で嬉しかった。

 

ユンさんは僕に「行きましょう」と言い、原チャリに案内し、ヘルメットを渡し、後ろに乗るように促した。

 えええ?原チャリ二人乗り??まじで!?

と思ったが、ホーチミンで生活している人の提案だ。

大丈夫だろうと、そこは「えいやっ!」と飛び込むことにした。

 

生まれて初めて女性の運転するバイクの後ろに乗った。

ユンさんはかなりの安全運転だった。。助かる。

ユンさんも バイクの海をかき分けていく。

ラクションがひっきりなしに鳴る。。

ユンさんに「この音が苦手です!」と言うと、彼女も笑いながら、「私も!」と言っていた。

やがて20分程走った所で バイクは止まり、ユンさんと降りた。

「このお店で インタビューします」

と言って喫茶店に入った。

大きな綺麗な喫茶店で、2階の席に陣取った。

ユンさんは朝食を兼ねて、モーニングセットを頼んでいた。

今日は お世話になるので「僕が出しますよ」と言ったが「大丈夫よー」と遠慮されてしまった。そして どうやら、インタビュー相手はまだ来ないらしい。

僕はカフェラテを頼み、しばらくおしゃべりをしていた。

 

この機会に疑問に思っていることを聞いてみた。

 「水色の 警察官の夏服のような制服を着ている人たち」が、ホーチミンのそこら中にいて、椅子に座っている。

食事も近くの食堂でテイクアウトし、その椅子で食べて 持ち場を離れない。近所の人と、笑いながらおしゃべりをしたり、スマホを見たり、仕事と言えば 駐車された原チャリを整理して停めなおすというくらいだ。

 

僕は  共産国家の為、国が公務員を何人も雇っているのか?  と思っていたので

 彼らは警官ですか?国家公務員なんですか?

と聞いたところ、

「彼らは警備員です。ホーチミンでは一つのお店に一人警備員がいます」

という事情を教えてくれ、警官は茶色い制服を着てる人達だという。

 

そういえばちらほらと、茶色い制服の人は 数少ないが目撃していた。

彼らが警官で、あの大量の制服の人達(水色)は民間?の職員だったのだ。

 

さらに、先日の劇に、マイクを使っていた理由についても聞いてみたが

ベトナムの俳優は大きな声が出せない」という、本当かどうかわからない 身も蓋もない事を言われた。。

冗談だと思って聞くと、プロでも 劇場でマイクを使っているところは多いそうだ。

逆に「日本ではどうか?」と聞かれ

 

日本ではミュージカルでは口元のマイクを使うが、ストレートプレイではマイクは使わない事。

大きな劇場では、人ではなく、舞台にフォローでマイクを入れることはあるが、基本は生声である事を伝えると

 

「素晴らしいわ。日本は!」と感心していた。

 

さらに「この原因は何だと思います?」と聞かれた。

僕は数日だが、ベトナムで感じた事から

 

「まず腹筋と言うか、腹式呼吸の訓練が

 出来ていない可能性がある事。

 そして、これは僕が街にいて、

 人を観察していて感じた事だが、

 あまりベトナムの人は普段

 大きな声でしゃべらないし、皆笑顔で、

 声を荒げているのを見たことが無い。

 このように日常で

 あまり大きな声を出さない文化

 これが「大きな声」を出すことに関しては

 弊害になっているのではないか?」

 

と僕なりの推察を述べ、同時に ベトナムの人の そういう国民性のようなものに

非常に好感を持っていることも伝えた。

 

彼女は「サンキュー!」

と言ってくれ ”大きな声 問題” を

「プロとしてどうなのか」と、自分は非常に憂いているとも教えてくれた。

とにかく、ユンさんのおかげで いくつか謎が解けた。

 

ユンさんがモーニングを食べ終わり、10分ほどして、インタビューの相手が来た。

顔を見て驚いた!その方は、先日のお芝居の演出家だったからだ。

ロビーで 挨拶していて、僕にも笑顔で挨拶をしてくれていた。

ひょろっとした、50代の目が綺麗な男性である。

 

彼は僕を覚えていてくれて、嬉しそうに握手をしてくれた。

 

彼らは、僕という いきなりの闖入者がいても何も気にしない。

おおらかと言うか、人間愛と懐の深さを感じた。

 

 インタビューはベトナム語で進んでいくが、いちいちユンさんが翻訳してくれる。

「彼はこう言っています」と。

演出の方も、ニコニコして、翻訳する時間をゆったりと待っていてくれる。

僕をインタビューに参加させてくれているのだ。

途中、演出の方は、僕にも意見も聞いてくれる。

ぼくは失礼のないように真摯に答えた。

 

それにしても彼らの態度はどうだろう? 一応 俳優という同じ職籍とはいえ、昨日 今日会ったばかりの僕を、古くからの演劇仲間のように迎えてくれる。。

 

「あぁ…演劇とは本来こうあるべきなのだ」

僕はこの「コミュニケーションの芸術」と言われている仕事の真理に、少しだけ近付けたような気がした。 

 

やがてインタビューは終了し、お互い握手をして別れた。

ユンさんは「このインタビューは数日後の新聞に載る」と教えてくれた。

 

しかし、芝居を見ただけでなく、その演出家の話を プロのインタビュアーと一緒に聞けるとは、日本でもした事の無い経験だった。

一人の俳優としても非常に勉強になった。

 

ユンさんは、仕事を終え 一緒に喫茶店を出たところで

「さあ、ホーチミンを案内するので後ろに乗って」

といって僕にヘルメットを渡してくれた。

 

ユンさんと僕は、再びバイクの海へと漕ぎ出していった。

 

続く

 

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ホーチミンの他の劇場

 

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↑ インタビュー場所のカフェ

     電柱の電線どうなってるの?!

 

 

次話

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