猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

ビフタンネンなドイツ人

 

国籍を問わず自分勝手な奴はいるものだ。。

 

それは、急に two peace house hostel が満床になった日。

 

ドイツから大学生らしい、卒業旅行の6人が、男子3・女子3の比率でやってきた。

 

リーダー格らしい男が 顔も態度もデカイ。

 

俺は経済学の専攻で、これから世界を回していくんだぜ?!

 

という 気持ちオラオラ系とでも言うべき男だった。

 

アイリーンも、話しかけられる度に眉間に皺を寄せ、明らかに不快感を表している。

日本の宿ではあり得ないが、さすが外国である!

 

僕は彼を見て、バックトゥザフューチャーの

「ビフ・タンネン」を思い出していた。

またその相棒は、チリチリパーマの小アフロという感じで世の中を斜めに見ている感じだった。なぜかスネ夫を連想させる。。

 

2人はレンタルしたバイクで「ヒャッハー!」と島中を回っているようだった。

 

他のメンバーは、昼は何故かこの2人とは行動せず。皆でタクシー等に乗って移動していた。

 

こちらはアレックスという 中々いい人相をしたイケメン青年と、女子3人の普通の大学生という感じだった。

 

そのうち1人の女子は背が低くて、目がクリクリしてて、可愛らしい アイドルでも通じそうな可愛らしい娘さんだった。

話している時、上目遣いで真っ直ぐ見てくるので、恥ずかしくてあまり目を合わせられなかった 笑

 

彼らは、夜は合流して みんなでご飯や、共用スペースで他の宿泊者も交えて宴会という感じの日々だった。

 

ある日 宿で共用スペースにいる彼らに

「一緒に浜辺にある スポーツバーに行かないか?」

と誘われた。

バカンスで来ていると言う、いつも共用スペースでくつろいでいるインド系シンガポール人のシャーンも行くと言う。

 

道中アレックスと、かわいい娘さんと話す。

僕がカタコトなので、ゆっくりとわかるように喋ってくれる。

 

ドイツの方は、英語が上手いと言う印象が僕にはある。というか、世界的に英語が上手だとよく聞く。

流れるように、まるで "母国語" を喋っているんじゃ無いか? と言うくらい流暢に喋るので、僕くらいの英語レベルだと、聞き取るのを "諦める" 事もある。

 

不思議なのが、聞き取れるようにゆっくりわかりやすい単語で喋ってくれる人と、

こっちが解ってようがわかるまいが、喋り続ける人に分かれることだ。

(もちろんビフは後者である。。)

 

何故スポーツバーに行きたかったのかは、道中に解った。

リーダー格のビフがドイツサッカー界の覇王でもあるチーム

バイエルン・ミュンヘン」のファンだったからだ。

 

彼はチリチリ君と肩を組んで バイエルン・ミュンヘンの応援歌を歌いながら歩いていた。

 

僕らは砂浜にあるスポーツバーに着いた。

 

 今日は地元の人で賑わっているな。

 

と思っていたら、

マレーシア代表VSタイ代表の サッカーの国際試合が流れていた。

皆 テレビに釘付けで、声援を送っている。

 

僕らは席につき、このままこの試合を見るのかと思いきや、ビフは、店員と話し始め。。

 

なんと、店の全てのテレビが

バイエルン・ミュンヘンの試合に切り替わったのだ?!

 

僕は本当に、びっくりした。

 

地元の人の楽しみを平然と奪って、

またしてもミュンヘンの歌を歌い出すビフを見て、本当に、ビフのいる映画の世界に迷い込んだのか?と思った。

 

地元の人を見ると

唖然とした後、、、文句も言わずに、急にテンションが下がりながら、諦めたかのように会話している。。

 

む、無神経にも程があるでしょドイツ人!!

 

と、びっくりしたし。

断らない(断れないのか?)お店にもびっくりした。

 

僕はその光景を見て、

戦争に負けるとか、植民地支配されるってこう言う事なのかな?

と思っていた。

 

地元の人は、観光でやりくりしている人がほとんどである。観光客の我儘は ある程度我慢しなければと思っているのだろうか??

また、アジア人は背が低いし、巨大なビフタンネンに小さい身体で向かっていくのは、確かに

マイケルJフォックスくらいじゃなきゃ無理だろう。

 

良識のありそうな、シンガポール人のシャーンを見ても、別段何も気にしていない。

 

気が気じゃ無いのは、「日本人」の僕くらいだった。。

世界って、こう言う感覚なのか??と僕は困惑していた。。差別とまでは言わないが、、だが相手を下に見ていなければ 絶対にできない行為だと僕は思う。

 

やがて 試合途中に着いたせいか、

20分くらいで試合が終わり、やっと先程の国際試合に画面は戻った。

 

僕はほっとしつつ、信じられない光景を見た。

 

ビフが バイエルン・ミュンヘンが負けた腹いせに、ラミネートされたメニューを、ヘラヘラしながら、ジョッキに折り曲げて突っ込んだのである。。

 

ここは、島で、ラミネートのメニューを作るのも日本ほど簡単では無いと思う。

それを相手のことも何も考えず、自分の怒りに任せて、氷入りのジョッキに突っ込むのを見て、僕はさすがに許せなかった。

 

メニューをジョッキから、とりだし、おしぼりで綺麗に拭いて、元に戻した。

 

するとビフは、

 ヘイ、ジャパニーズ。

 君はこう言うのは嫌いか?

と聞いてきた。

 

僕は彼を睨み、

 ああ!!嫌いだね!!

と嫌悪感からはっきり言った。

 

正直喧嘩になったら勝てないだろうなとは思っていたが、僕は許せなかった。

 

すると彼は、相棒と顔を見合わせて、苦笑いした後、外人がやりがちな

 やれやれ と言うポーズした。

シャーンも間に入って取りなしてくれて、

とりあえず宿に帰ろうとなった。

 

僕は一人で散歩して帰る。 と言いながら、1人で宿に帰った。

 

次の日、大通りを歩いていたら、偶然出会ったアレックスが話しかけてきた。

 良かったら、一緒に回らないか?

と言ってきた。

 

彼は昨日の事を話したかったらしく。

    君のした事は正しい 

と言ってくれた。

 

昨日、「おかしいだろ?!」 と思っていたのは僕だけではなく、控えめなアレックスもそう思っていてくれて、わざわざ僕にそれを言いにきてくれたのだ。。

 

僕は嬉しかった。

 

 「ドイツ人ってのは!!!」

 

と、危うく怒りで、ドイツの方を一括りに決めつけてしまうところだった。

この一言で僕は、救われた。

 

そして、ビフを見て、全てのドイツ人を嫌いになろうとしていた自分を恥じた。。

ビフは別に ドイツ人代表ではないし、誇り高きバイエルン・ミュンヘンのファン代表でも無かった。。 

 

僕は "うん、、ありがとう!"  とお礼を言い。

 

後ろで控えている3人の女の子は、別に僕と周りたくは無さそうだったので、

 

 一人で考えたいことがあるんだ。

 

とアレックスに告げた。

 

アレックスは、たぶん僕を気に入ってくれていたのだろう。

本当に残念な顔をしてくれていたが、

僕は彼らと別れた。

 

しばらく歩いていると地元の猫がおり、

僕はなぜか人恋しくなって、猫さんに 撫でてもいいかお伺いを立て、撫でさせて貰っていた。

 

撫でながら

「君らの世界にも、差別はあるのかい?」

と話しかけたが。

 

猫さんは不思議そうな顔を一旦しただけで、

すぐに気持ちよさそうに、ゴロゴロ喉を鳴らしていた。

猫さんの世界は平和そうであった。。

 

続く

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↑ 平和な鶏たち

 

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↑ 猫さん