猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

外国の若者を知り 己も知る

 

第27話

外国の若者を知り 己も知る

 

これから山に行こう!

というプランに彼はすぐに同意してくれた。

 

ブルハムに話すと

「是非行こう!」となり。

 

僕たちはおじさんのタクシーに乗り込み

ケーブルカーのある麓まで向かった。

 

さっき会ったばかりだが、なぜか彼とはうまが合うと言うか、前からの友達のような気がしていた。

 

ブルハムはタクシーのおじさんとも結構話す。おじさんも色々英語で返す。

おじさんは、片言レベルが素晴らしい。

僕なんかより断然上手い。

僕がおじさんに 英語はどこで習うの?

と聞くと、引退する前は漁師だったから

タクシーを始めてから、独学と会話の中で覚えたと言う。

 

うーむ。マジか?  凄い。。

 

余談だが

僕は前に駅員のバイトをしていた事があり。

それは駅構内での案内だった。

持ち前のコミニケーション能力と ジェスチャーと カタコト英語でなんとか外国のお客さんとやりとりしていた時期があり。

結構 "生" の英語に触れる機会があったが

学校で英語アレルギーだった為 基礎がない。。ほぼ単語と動詞にプリーズをつけて乗り切っていた。

ヒアリングは「吹き替え」の声優の仕事で、英語の原文ばかり聞いていたので

ある程度何とか出来る様にはなっていたが。。

 

それでも簡単な英単語以外は チンプンカンであった。

 

一度バイト中、黒人の美人さんが来た時に。

 ATMはどこかしら?

と聞かれて。

 ゴーストレート ライトサイド

 ユー シー ATM

 ビューバンク アンド ミズホバンク

まではなんとか通じたのだが。。

 

 このカード使えるかしら?

と聞かれた僕は これなら答えられるぞ!と

  「Let's challenge !!」

と自分史上最高の発音で言った。

 

すると美人さんは

 オー!!チャレンジ?!

と目を丸くして笑い出し、しまいにはツボに入ってうずくまって

 チャ、チャレンジ。。 WWW

と苦しそうに笑い始めた。。

 

同僚を見ると、彼も爆笑しながら、

  東さん!!それ、ATMに 挑めっ!!!

って言ってますよ!! 爆笑

 

2人ともお腹を抱えて笑い出しているので。

周りの人も なんだなんだ?

という感じで集まってくる。。

 

そんな事が品川駅であった。。

 

そんな僕からしたらタクシーのおじさんは

明らかにちゃんとした英語でブルハムと話していた。

 

マジで凄いなマレーシア!!と僕は改めて思っていた。

 

ブルハムはタクシー運転手さんに

 トルコの大統領を知っているか?

と無茶振りを始めた。。

 

僕は。。というか

読者の皆様 知ってますか??

僕は全然知らなかった。。

 

だけどタクシーのおじさんは、〇〇さんだよね? と会話していた。。

 

の、能力たけーー!!!

 

 僕は「何この会話??」

 

と驚愕していた。

 

やがてブルハムが、

「彼はグッドリーダーだ。」

 

と言ったのを聞いて。

僕は恥ずかしくなっていた。。

 

俺は人生で今まで。。

「日本の国の首相を知ってるか?」

外国の人に聞いた事があるだろうか。

 

自分の国の首相を 誇らしげに「彼はね…

と話した事があっただろうか??

 

うーん。。

改めて外国の青年の志というか

意識の高さに驚かされた。

 

日本はやはり平和なのだ。。

 

そして自慢したくなる様なリーダーは

僕の中にはいなかった。。

 

その事を初めて 意識した。

 

政治とは自分たちの人生を決める一大事なのだと。

 

 

やがてタクシーは麓に着いた。

 

ケーブルカー乗り場まで、色々なものがある。

ちょっとしたテーマパークといった感じで雑然としている。

「オリエンタルビレッジ」というらしい。

 

やがて僕らは「SKY CAB」という ケーブルカー乗り場に着いた。

 

2日前にも ペナンヒルにも登っていたのに。

なぜまたすぐに山に登るのか??

馬鹿なのか?高い所がそんなに好きなのか?

 

と思われる方もいると思うが。

 

この山はペナンヒルよりはるかに高い。

そしてここには「スカイブリッジ」という

バンジージャンプさえ出来そうな

天空の橋のような吊り橋があり

どうしてもそこに行きたかったのだ。

 

ケーブルカー料金は 車体のランクによって違い

外国人はマレーシアンより高いのだが、

自国民にとっても観光地なのか、倍ほどは高くない。

1番安いゴンドラの車体で55RM(1500円)

マレーシアンより10RM 高いくらいだった

 

ケーブルカーと言うよりは むしろ「ゴンドラ

と言った方がしっくりと来る。

宙吊りで 物凄い急な傾斜を上がっていく

迫力満点の乗り物だった。

 

終点は見上げるほど遥か上にある。

しかも上の方は霧で覆われてはっきりとは目視できなかった。

 

途中の霧の中も抜けながら、上へ上へとゴンドラは上がっていく。

霧の晴れたところではランカウイの島々を遥かに望む事ができる。

 

ブルハムと2人で あまりの高さと迫力に、写真を撮りながら 「すげ〜! たっけぇー!!」と2人で笑っていた。

 

やがて頂上に着くと霧で何も見えない。。

外にいるのに 久しぶりに…本当に久しぶりに肌寒かった。

肌寒い。。マレーシアに来てから初めてだ。。

 

 何も見えないね?

 

というとブルハムも

 まぁ、しょうがないね。

 とりあえず回ろう!

と歩き出した。

 

頂上はぐるりと歩いて色々回る感じだったが、

霧で全然 何も見えない。

つまり雲の中にいるという事だ。すごい高さにいる事がよくわかる。

 

色々写真を撮りながら、二人で回っていると。

 

ブルハムがちょっと待ってくれと言い出して  リュックから何かを探し始めた。

取り出したのは、なんと!!

 

それは日本でもよく見る「自撮り棒」だった。

 

まさかトルコ人が自撮り棒なんてミーハーなものを持っていると思わず、僕はちょっと引いた。。

 

ブルハムは、この棒を装備してからスイッチが入り。

少しでも気になったところを見つけると、

ツーショットを撮りまくり始めた。。

 

しかも、気にいるショットを撮るまで

10回、20回とる 笑

 

凄い写真が好きなのね。。外国の方は、、

と思いながら付き合う。

 

霧で景色が全く見れなくて「誘って申し訳ない」と思っていたが、こんだけ楽しんでくれたらもう良いや!と一緒に撮りまくった。

 

ここにも

カップルが愛を誓う愛の南京錠 が大量にある。

高い所には必ずあるのは「吊り橋効果」を狙っているのだろうか?

男2人でうっかり舞浜のテーマパークに来てしまった様な感覚を覚えるが、気にしない!!

(ここでもツーショット写真は勘弁して欲しかった 笑)

 

なんにせよ どんどん彼とは仲良くなる

  さっき会ったばかりのはずなんだけどなぁ

と旅の出会いの不思議を思う。

 

もういくら粘っても霧が晴れないので、切り上げて麓に降りる事にした。

僕が一番楽しみにしていた「スカイブリッジ」は霧が凄いので 安全の為立ち入り禁止だった。。

ブルハムが

 君は明日も明後日も来られるんだから

 また来たら良いさ

と言ってくれた

ブルハムはやはり優しい。

 

お腹が空いたので、麓のテーマパークでご飯屋さんを探していると「SUBWAY」があった。

 

ブルハムが是非ここが良い!!

と言うのでそこに入る事にした。

 

理由は注文の時にわかった。

チキンを頼み、ポークが入っていないかを確認していた。

「豚嫌いなの?」と聞くとこの時初めて

彼は自分が "イスラム教徒" だと教えてくれた。

 

あぁ、だからパンに挟める具材を選べるサブウェイに入りたかったんだ。

 

と この時初めて僕は理解した。

後で知ったのだが、トルコはイスラム教の国家だった。

 

ブルハムは カメラを向けられた途端に

つい役者の血が騒ぎ 色々面白いポーズをとる僕を大いに気に入り、僕の写真だけで 携帯を埋め尽くすつもりなんじゃ無いかと思う程

僕の写真を撮りまくり "大満足" した様だった。

 

一通りオリエンタルビレッジも楽しみ

夕方になる前に僕らは タクシーで宿に帰る事にした。

 

続く

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↑ いざ頂上へ


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↑ もの凄いアトラクション
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↑ なんも見えねぇ!!


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↑ せっかくなので愛を誓う私


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↑ ブルハム ランカウイコレクション

 

 

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