猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

綺麗好きの女主人

 

第26話

綺麗好きの女主人

 

予約していた宿に昼過ぎ 無事到着した

 

魔窟で懲りていたはずの僕が

なぜまた600円代の宿を予約したのか??

 

それは僕の新しい挑戦と関係していた。

 

旅に少し慣れてきていた僕は

スマートフォンの万能性に驚愕していた。

 

宿の値段も見れるし 写真でどういう宿かも何となく判断出来るからだ。

さらに予約までポチポチで出来る。

 

そして僕は booking .com の機能をフル活用する ある方法を編み出していたのである!!

 

それはまず「ランカウイ島」と入力して

条件のところに

1日の宿代で払っても良い値段

今回は1000円以下の宿を検索し

 

さらに評価が10点満点中 9点以上 の宿で絞り込む。

9点の宿がなければ 値段を1200円まで上げてみる。(僕は宿代は2000円までだったらOK)

 

大体9点以上は綺麗で過ごしやすい宿ばかりである

さらに日本人のレビューを探して読む。

 

日本人は結構 宿に求めるクオリティが高いので

泊まった日本人が絶賛している所はまず間違いがない。

 

ロケーション情報も大事だ

駅に近いとか ビーチがすぐだとか

ナイトマーケットやバザールに歩いていけるとかの 場所の情報も重宝する!

 

さらに 部屋や フロントやシャワー周りの写真も見ると大体どんな宿か想像がつく。

 

前回のあたり宿「マグパイレジデンス」で

宿の重要性を再確認した僕は

この方法で "あたり宿" を探す事にしたのだ。

 

 

宿に着くと30代後半らしい女主人が迎えてくれた。

 

丁度シャワールームを掃除中だった為

ズボンの裾をたくし上げていた。

 

メガネの似合うヨーロッパ系の美人だった。

 

僕が予約している旨を伝えると

僕の顔をしばらく見て…少し小声でこう話した

 

 あなた 大部屋の方で予約してるけど

 部屋を見てから決めない?

 

実はこの宿は

エアーコンディション(クーラー)付きの宿なのだが。

 

男女混合ドミトリーの大部屋は 24時間クーラーが付いているのだが。

 

廊下にある2つ連なる2段ベッドの場所は

夜8時から朝の10時までしかクーラーをつけないと言うものだった。

 

僕は昼間もクーラーが欲しかったので。

大部屋の方で予約していたのだが、

 

たしかに広めの廊下のベッドの方は

片側だけに 二段ベッドが2つ 縦に連なり

カプセルホテルのように布で仕切られて カーテンもある。

 

大部屋は二段ベッドが3つある6人部屋

勿論ベッドは剥き出してカーテンなどない。

 

 クーラーか 布で仕切られた個室か。。

 

考えていると 宿の女主人が小声で

 

 あのね。今 大部屋にいる人たちは

 あまり良い人たちではないの。

 君は何というかまだ可愛らしいし

 廊下の方が良いと思うの。どう?

と言ってきた。

 

僕はかなり迷ったが、、彼女が本当に僕の事を考えて言ってくれている目をしていたので。

女主人の助言を信じて受け入れる事にした。

 

綺麗好きな女主人は「アイリーン」

という名前で イタリア人だと教えてくれた。

 

ここランカウイ出身の マレーシア人の旦那さんの「サム」と一緒に宿をやっているとの事だった。

宿にはもふもふの可愛い飼い猫もいた!!

(当たりだ!!)

 

チェックインが終わり、僕は下のベッドで荷物を整理し そこら辺をぶらつこうとしていた所

 

なかなかハンサムなメガネの色黒の青年が

大部屋から出てきた。

 

挨拶をすると明るく返してくれた。

 

これから散歩に行くというので

 せっかくだから一緒に行かない?

と言うと  "是非行こう!!"  と言ってくれた。

 

ドミトリーには礼儀というか、儀礼のようなものがある。

 

初めまして の人間と一緒にいるので

挨拶はもちろん 名前を名乗り 国も名乗り

こちらも相手の 名前や国を聞き 「宜しく!」

と握手しておくと 不思議なもので 少し安心して一緒に過ごせるようになる。

 

大体のやりとりは

 

Hello! my name is Masami.

 

Hello! my name is bulhum.

Were you came from?

 

I'm Japanese.

Were  your country?

 

trukey.

 

という感じで 会話はいつもお決まりである。

 

カタコト同士だと特にこうなる 笑

 

そう、上の例文の通り

宿で出会った彼はトルコ人

「ブルハム」という名前だった。

 

ブルハムと宿から通りに出た。

 

お互いカタコトの英語で話してみると

彼は「薬剤師」で 昨日までシンガポール

新薬の開発で来ていたそうだ。

 

明日昼過ぎの飛行機で帰るのだが

少しだけバカンスしにここに来たという。

 

不思議なものでカタコト同士の方が

心が通じるというか 何かが通じる。

 

それは  "相手が何を言いたのか?"

 "自分の言いたい事を どう分かって貰うか"

 

相手のジェスチャーや言葉に とにかく集中力を発揮する事で

言葉を超えた何かが発生するからだ。

 

そしてその会話を持続させるには

お互いに興味を持てる人間性とでも言うべき

親しみを感じる相手でなければ続かない。。

 

そして、伝えたい内容が どうしても伝わらない場合は 途中で諦めて違う会話を進めていく 笑

 

 

ブルハムはとても穏やかな素直そうな良い人だった。

年齢は27才。

 

僕が37才だと言うと

 若いね!信じられない!?

と言ってくれた。

 

これは自慢ではなく。

日本人は海外では実年齢より10才ほど若くみられる事が多いからだ。

 

宿とビーチの間の一本しかない "目抜き通り" とでも言うべき道を歩いていると

タクシーの運転手さん達が屯ろしている

車寄せ? 的な所に出くわした。

 

 どこへ行くんだ?タクシーはどうだい!

声をかけてきたので 色々聞いてみると。

 

ここにバスが通っていないのは

「バス会社が無いから」(当たり前である)

タクシーは全て "場所から場所" での定額

タクシー運転手は皆んな仲間だそうだ。

 

ここの島には タクシー会社は1社しかなく

みんなそこの所属で 仕事は平等に割り振っているとの事。

地元のみんなで運営している会社らしかった。

 

ブルハムは隣にある小さなツアー会社に

 明日のフライトに間に合う

 早朝から昼までのカヤックツアーを探す

と言って入っていったので

 

さらにおじさんと色々話した。

 バイクを借りた方が安いけど

 危ないからやめた方がいいよ。

 空港付近に 野生のバッファローが多いので

 そいつとぶつかると死ぬ事もある。

 だから、地元のドライバーは本当に

 バッファローには気を付けているんだ。

 お酒は安い、ビーチはすぐ裏だよ。

親切に色々教えてくれた。

 

いまから観光できるところがあるのか?聞くと

みんなで話し合ってくれて、

 マチンチャン山がいい!!

と結論を出してくれた。

 

2人だからタクシー料金も折半になるから

もし行きたいなら 連れがいる時の方がお得だ。

とアドバイスしてくれた。

 

僕は 「明日の予約が取れた!」と帰ってきて

ニコニコしているブルハムに

タクシーに乗って 一緒にケーブルカーで山に行かないか?

と早速提案した。

 

続く

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ランカウイの猫さんたち☆

 

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↑ ブルハム(27)

 

 

次話

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