猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

旅立つ人あり 残る人あり

 

第22話

旅立つ人あり 残る人あり

 

目が少し覚めても僕はまだ "夢現つ" だった

 

昨日、宮下さんと

また宿のフロントで盛り上がり過ぎた僕は

"お見送りをしよう" と思っていたのだが

どうしても起きれなかった。

隣で出発の準備をしているのは

気配で わかっていたのだが。。

 

ご挨拶をして別れたかったが 

 

 これも人生 これもご縁だ。

 

と言い訳をし 諦めて眠気に負けていた 笑

 

やがて宮下さんの 気配は消えてしまった..

 申し訳ない。。面接頑張って下さい。

と心の中で祈りつつまた眠りに落ちた。

 

それから1時間ほど経っただろうか。

ふっと目が覚めて、僕はカーテンを開けて部屋を覗いてみた。

やはり、人は誰もいない。

ベッドから降りると隣りはもぬけの殻だった。

 

  …間に合わなかったなぁ。。

 

と残念に思いながら、朝飯を食べようとフロントに降りると

 

なんと宮下さんがまだ待っていてくれた!!

 

 ええー?時間大丈夫なんですか?

 

 まだ大丈夫。早めに出ようと思ってたから

 まだ大丈夫です^_^

 

わざわざ起こさずに待っていてくれた彼女に

とても感動した。

 

お互いの健闘を称えつつ。

最後に 「楽しかった!!」

とハグをした。

 

そうして彼女は宿のスタッフさんにお礼を言い 風のように颯爽と宿を出て行った。

 

心から彼女の活躍を祈りつつ。

 

あまりに楽しい2日間を過ごしてしまった為

 

 …んん。。さぁてと。。

 今日は何をしようなかぁ。。

と、僕は完全に呆けていた。

 

コーヒーを飲みながら

ボォーッとしていると。

 「おはようございます」

と後ろから声をかけられた。

 

振り返ると声をかけて来たのは僕より少し年嵩の 千葉出身の男性の "市川さん" だった。

 

 あ、どうもぉ。

 

 今日、何時にします?

 

 えーと、何でしたっけ?

 

 いや、だから、昨日僕は用事があるので

 今日一緒にご飯行こうって

 言ってたじゃ無いですか 笑

 

すっかり忘れていた。。

 

僕はなぜか

 そうでしたね。ええ。そうでした。。

と完全にトンチンカンな返しをした。

 

とりあえず僕は、昨日行けなかったペナンヒルに行くことは決めていたので

夕方6時ごろに宿で待ち合わせをする事になり。

市川さんはなぜか髪を切りたいらしく

「床屋に行く」と宿を出て行った。

 やっぱり少し変わった人だなぁ。。

と思ったが 髪を切りたいタイミングは人それぞれだ。

 

僕は軽く遅めの朝食をすまし。

ペナンヒルに行く為に

フェリー乗り場のターミナルへ向かった。

バスのマップを見て 周りの人に聞いてみると。

ペナンヒル行きのバスはすぐ見つかった。

 

バスで着いてからケーブルカーのチケットを買う。

 

KLタワーに登った時もそうだったが

マレーシアンか、外国人かで 料金が違う。

観光客は倍くらい高い。。

 

観光税だと思って払う。

 

 

往復で30RM(リンギット) 800円くらい

 

途中2つ程駅があって2、3分停車した。

 

なぜ途中で止まるのかは

途中駅に着いた時に分かった。

 

なんと民家があり 人が住んでいたのだ!!

 

途中駅でおばさんが降りて行き。

駅のすぐそばには民家が。。笑

 

なんか買い物袋もってるおばさんがいるな??

と思っていたら、自宅に帰られていたんですね。。

 

そんなこんなで 頂上にケーブルカーは着いた。

 

ペナンヒルは自然も沢山あり。

 

野生の猿や、白亜紀にいそうな大きなムカデのような芋虫のような何かがたまに這い回っていた。

とにかく自然がいっぱいだ。

 

そして 景色は最高だった!!

 

ジョージタウンと その奥の海も一望出来る!

 

登った高台では こういうところに良くある

恋人達が愛を誓う "愛の南京錠" 設置場所があった。

そこには 巨大な LOVE   のモニュメントもあり 1人で来た僕は苦笑した。

 

しばらく行くとバギー乗り場があり

皆それに乗って向こうの道に走り去っていった

 

値段を聞くとケーブルカーより高い。。

 

僕は 歩いて行けない事はないだろうと思って 歩いて行く事にした。

 

やはり猿が多い。

 

途中で 短パンとランニングの

汗だくのおじさん2人が向こうから歩いてきた

 

英語で 気持ちよく挨拶をしてくれたので

こちらも挨拶を返すと。

 

色々話をしてくれた。

 

話によると 彼らはペナンに住んでいて

毎日ここにウォーキングに来ているらしい。

 

 この先は何があるの?

 みんなわざわざバギーに

 乗って行っているけど?

と聞いてみると

 

 何も見みるような大層なものは無いよ!

 君も引き返した方がいい。

と言われた。

 

確かに

行きのバギーに乗っている観光客の人達は、「ヘーイ!」とか「ハーイ!」と

テンション高く挨拶しながら僕を追い越していたのだが

なぜか 帰りのバギーで戻って来る人達は

かなりテンションが低かった。。

 

僕は 直感とおじさんの助言に従って引き返す事にした。

なので未だにあの道の先に何があるのかはわからない 笑

 

戻ると日は傾き始めていた。

 

行きはなかった "人だかり" が出来ていて

行ってみると何故かこんなヒルトップで

 

「ファイヤーショウ」が始まっていた。

 

まだ暗くなる前だったが結構迫力があった。

 

特に ガソリン?を含んで火を吐くのが

大迫力だった。

 

やがて火の棒のジャグリングが始まり

2人で ジャグリングキャッチボールを始めたが若いメンバーがポロポロこぼすので。。

そろそろ夕日を見ようとそこを離れた

 

ケーブルカー乗り場近くに戻って

街を一望出来る BAR の テラス席に陣取った。

 

流石にビールがいい値段だったので

生ビール一杯をチビチビやりながら

夕陽に染まる街を眺めていた。

 

このまま夜景も見たくなってしまった僕は

 "マレーシア時間だからいいか" と

市川さんとの待ち合わせを伸ばす事にした。

 

繋いだWi-Fiで  

一時間ほど遅れる旨をLINEをし

暮れゆく美しい街を眺めていた。

 

やがて夜景になった街は 本当に綺麗だった。

 100万ドルの夜景や。。

と思わず呟いた。。と言うか ただ言いたいだけだった 笑

 

一通り満足した僕は ハートマークが飛び交うカップル達を尻目に 夜景は早めに切り上げた

約束の為と ケーブルカーが混む前に帰ろうという  "日本人的な考え"  がここで出た為である。

 

こうして僕のペナンで1番やりたかった事は

無事達成されたのである。

 

 約束より 大分待たせるなこれは。。

 

と思いながら僕はケーブルカーに乗り込んだ。

 

続く

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↑ ケーブルカー


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↑ ペナンヒル


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↑ 愛の南京錠

 

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↑ ファイヤーショウ


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↑ 100万ドルの夜景

 

 

次話

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