猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

いざ豪華な航海へ

 

第21話

いざ豪華な航海へ

 

まだ夕陽になりかけで明るい

 

往復して島に戻ってくるので

帰りの便では

綺麗な夕陽になっているはずだ! "

と予想し(しかも帰りは西に向かって進む!)

 

2人でフェリーに乗り込んだ。

 

「50セント!」

 

とカッコよく言ったが

なんとフェリーは "無料" だった。

 

ええ?!っと思ったが

 

そこで僕は思い出した!!

 

確か「深夜特急」でも

島を出る時は なぜか無料で

本島から島に渡る時だけお金がかかる。

 

と言う一節があった!!!

 

 あぁ 何十年も前の情報が

 今も生きている。。

 

僕は 時を超え 沢木氏と同じ体験を

今まさにしている事に感動を覚えた。

 

行きはまだ夕陽になりかけであったが

やはり風が気持ちいい。。

 

宮下さんもマレーシアで初めて乗るフェリーに興奮していた。

 

 なにこれー? 最高!

 いい風〜〜!!

 ええ?! あの橋 長すぎでしょ!?

とおおはしゃぎだ。

 

ゆったりとフェリーはペナンを離れて行く。

 

同じ船のゆったりとした空間を一緒にいると

宮下さんはもちろん 

周りの乗客も 共に船旅を共有する "仲間" に思えてくるから不思議だ。

この ゆったりとした空間と時間を

皆 共有する仲間である。

 

やがてバタワースについた僕らは

フェリーが いつ折り返すのか分からないので

かなり急ぎ足でフェリーを降りた 笑

 

一度出口から出なければいけない。

出てすぐに入り口に行く

はたから見たら

「一体このジャパニーズたちは

     何してるんだろう?」

という感じだろう。

 

例の 遊園地システム の鉄棒カチカチに

リンギットコインを入れてカチカチ入場する

 

ここで問題が起きた。。

 

宮下さんがカチカチに引っかかったのである。

 

中から軍人が出てきて何やらやりとりをしている。。

 

聞いてみると、間違えて日本の100円玉を入れてしまったところ。。

 

「ヘイ? これは違うコインだ。」

と軍人さんが窓口から出てきたそうだ。。

 

結構アナログな 雑なシステムだと思っていたが

どっこい  "違うコインだとストップする"

スーパーハイテクシステムだったらしい。。

 

実際は2倍の料金を間違えて支払ったのに

強面の軍人さんに 「おいおい!」

とすぐに怒られるとは 笑

 

恐るべしマレーシア軍!!

恐るべしハイテク遊園地システム!!

 

まぁ冗談はさておき。

僕が持っていたコインで 無事宮下さんも

カチカチカチと入場出来た。

 

フェリーは もちろんさっき着いた 僕たちが乗って来たフェリーである。

 

車やらバイクがまだ出てきている。

 

フェリーは "2階建てで" 階段で繋がっていて

車両は下の階に入り 人は上の階に乗る。

 

僕らは無事復路のフェリーに乗り込んだ。

 

車両も入りきり フェリーはゆっくり進み出した

 

進行方向である船の先頭の

ペナン側に移動した僕は思わず

 

 ( うわぁ。。。)

 

と言葉を失った。

美しすぎる夕陽が海を照らし

ペナンの街並みも染め上げながら

西に沈もうとしている。。

 

そこに向かって船はゆっくり近づいていく。。

 

ふと隣を見ると夕陽に顔を染めて

宮下さんも黙ってその光景を見ていた。

 

夕陽が全てを染め上げて行く。。

 

それはとても不思議な体験と感覚だった。

 

2人でこの夕陽を眺めていると言葉は要らず

ずっと昔からの知り合いのような気がした。

 

僕はこの夕陽と この時間があっただけでも

旅に出た意味があると思っていた。

 

やがてフェリーはペナンに着いた

 

フェリー乗り場から降りた僕たちは

しばらく放心状態だったが。

 

やがて 宮下さんが

「この航海は たぶん一生忘れられない」

と言ってくれたのが嬉しかった。

 

柔らかな気持ちのまま僕たちは

またしても レッドガーデンに行く事にした。

 

もう聞かなくても自然とここに足が向かっていた 笑

 

紅園に着くと 今日も妖精さんがステージを盛り上げていた。

 

昨日と同じで お互い食べたい物を買って

シェアして食べる。

ステージも大盛り上がり!!

 

最高の夜だ!!

 

昨日知り合った 接客のお兄さんが

寄ってきて話をした。

勝手に「ブラザー」と呼んでいたが

今日が "最後の夜だ" と聞くと寂しがってくれた。

 

話すうちに彼が

「これは秘密なんだが

 実は僕はマレーシア人ではないんだ

 バングラディッシュ人なんだ」

と声を落として教えてくれた

 

だが 正直僕には マレー人とバングラディシュ人の違いはわからなかった 笑

 

彼はなぜか 僕らが気に入ったみたいで

暇を見つけては話しかけてくれた。

 

彼のおかげもあって本当に楽しい

" 紅い時間 "を過ごす事ができた。

 

やがてショーもひと段落したところで

この史上最高の屋台村を出た。

 

散歩をして帰ろうという事になって

北の海側から遠回りして帰る事にした。

 

海の音を聞きながら

しばらく行くと 海のすぐそばに

綺麗なレストランがあり

 

閉店した事を伝えるのに 木の椅子を

"一脚だけ入り口に置いておく"

というオシャレすぎる 表現をしていた。

 

それがとても綺麗で印象的だった。

 

帰りにやはりお酒を買って

宿のフロントで最後の夜を満喫し

 

宮下さんが明日早めに

8時頃出るつもりだと聞いて

 

 起きれたら。。いや、

 絶対お見送りしますね  笑

 

と約束をし

ペナンでの 最高の一日は過ぎていった。。

 

そして この彼女との出会いが 

この後の僕の旅を 大きく変えることになるとはこの時はまだ知るよしも無かった。

 

続く

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↑ 夕陽と海とペナン

 

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↑ レッドガーデン

 

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↑ 夜の散歩

 

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↑ レストラン

 

 

次話

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