猫好き俳優 東正実の またたび☆

俳優 東正実の東南アジア旅

高級リゾート

 

第19話

高級リゾート

 

ペナン2日目の朝

 

昨日お会いした女性は、宮下さんと言って

四国出身の方だった。

2人で、今日は海に入ろうと、水着を中に着込んでから

有名な バトゥ フェリンギ という

"ビーチ" へ行く事にした。

 

結局9時過ぎまで寝てしまっていて

出発が10時過ぎになった。。

 

ペナンには 「コムタ」 という

高層の筒状のビルがある。

 

島にたった一つある高層ビルなので

目印になる。

中はショッピングモールや、屋上にはペナンを一望できるルーフトップのバーがあるらしい。

 

「コムタ」と「フェリー乗り場」がバスの始発駅で ターミナルになっている。

 

宿のおばさまに聞くと、コムタからバスが出てるとの事。

コムタまで 徒歩15分くらいで着くので、歩いて行く。

 

思ったよりこじんまりとしたバスセンターだった。

聞くと、ここから空港行きのバスも出ているとの事だった。

 

バトゥ・フェリンギに向かうバスを聞くのに

英語を話さなければ なのだが

 

今日の相棒宮下さんは

素人の自分が聞いていても"綺麗な発音"の英語で 華麗にやりとりをし

あっという間に "乗るバス" を特定してくれた。

僕は改めて 英語って大事だったんだ。。

と気付かされた。

 

 "苦手だから" とか

 "日本人には英語は必要ないだろ?!"

と 生意気な 中・高生だった、過去の自分に苦笑いした。。  

 

タイムマシンがあったら

「英語を勉強しておけ!!」

と説教しに行きたいくらいだ。

 

ここで一つ問題が起こった。。

 

バスのお金が先払いなのだが、細かいお金が無い。

1リンギット足りない。。

10リンギット出すと

「お釣りがないから何とかしてくれ」

と言われる。

ええ?

お釣りが出ないバス。。

日本ではありえない事象である。

 

困っていると

近くに座っていた人が、足りない1リンギットをくれた。

 

両替とかではなく

"くれたのだ"

僕は

なんて優しいんだろう!! ペナンの人は!! イェース ピネン!!

と思っていたが。

 

次のバス停から乗ってきた外国人観光客が

やはり「小銭がない」と 運転手とやり取りしている。

運転手は 客の座席を指差して何か言っている。

 

やがて外国人観光客は

客席の方にやって来て 乗客に話しかけている

すると驚く事に 乗客が小銭を恵んでくれる。。

まだ足りないようで、さらに後ろの人に話しかけて  また小銭を貰う。。

 

どうやら ペナンのバスは

" お金が足りない時は 近くの乗客に貰う"

という、画期的なシステムらしかった 笑

 

凄いバスの運行システムである!!

 

まさに助け合いである。

 

きっとペナンにいる人は 皆お隣さん的な感覚なのかも知れない。。

お隣さんに、ちょっとお味噌とか、お醤油を借りにいく感覚なのかも知れない 笑

 

走行しているうちに、バスはフェリー乗り場の目の前のバス停に着いた。。あれ?!

 

どうやら島をぐるっと回っている路線の為

"フェリー乗り場" を経由するらしい

 

 "コムタ" ではなく

最初から このフェリー乗り場のターミナルに

宿から15分程歩いて来ていたら

ここからこのバスに乗れたようだ 笑

 

だが、急ぐ旅でもないので 笑って通り過ぎた。

 

島を大回りで海沿いに回るバスで

途中には高級リゾートホテルらしきものが

山側にも海側にも何軒もあった

流石 リゾートアイランドペナンだ。

 

結構乱暴な運転で少し酔いそうになる。。

 

運転手さんに

「バス停に近付いたら教えて欲しい」

と交渉してあったので、Googleマップも見ずに安心して乗っていた。

 

運転手さんが、振り返り、

次のバス停だよー

と親切に教えてくれた。

 

そして無事 バトゥ・フェリンギに到着したのである。

 

バスを降りると、南国特有のしっかりとした暑さである。

天気は快晴で今から海が楽しみになった。

 

 お腹が空いていませんか?

 

という事で道路沿いでお店を探したが、

やってなかったり、イマイチそうだった。

もう とりあえずビーチに行く事にした。

 

バス停からすぐの道を入ると

有料のトイレがあり

その先は海に続いている砂地で

両側に服などのお土産屋さんが 連立していた。

 

そこを横目に一直線に進むと、

素晴らしい砂浜に出た!!

 

まさに! 砂! 太陽! 海!

パラグライダー!!

バブル感満載のビーチだった!!!

 

時期を外していたせいか、人はまばらで空いていて嬉しかった。

 

ビーチチェアを見つけて近付いて行くと

真っ黒に日焼けした細身のマレー系のおじさんが寄ってきた来た。46歳くらいだろうか。

ピチッとしたウェットスーツのようなものを着ている。

 

なんと日本語が喋れる人で

 あのチェアーは無料だ!

と案内してくれた。

 日陰の方が良いだろう?

とチェアーを木の下の日陰に移動してくれた。

 

お礼を言って座ると

 良いんだ。楽しんでくれ。

 ところで  パラグライダーをやらないか?

と聞いて来た。

どうやら営業を兼ねて、親切にしてくれているらしい 笑

 

値段を聞くと結構する

100RM(2700円くらい)だった。

 まだ良いです 笑

と断ると

 そうかその気になったら

 いつでも声をかけてくれ

と無理には勧めてこない。

日本語が上手いので、理由を聞くと、

 ここは昔は日本人観光客だらけで

 その時働きながら覚えたんだ。

 以前JALでドライバーとして

 働いていた事もあるのさ。

 ところでパラグライダーをやらないか?

と営業しながら、驚きの過去を教えてくれた。

 

断りながらオススメのご飯屋さんを聞くと

砂浜に着いてすぐの

屋台のようなお店が美味しいと教えてくれ

連れて行ってくれた。

 

 ここは美味しいよ!

 テイクアウト出来るから

 出来上がったら持って行ってあげるから

 チェアーでゆっくり待ってると良い。

 で、パラグライダーやらないか?

 

僕はまたまた断りながら、お言葉に甘えてチェアーで待つ事にした。

 

やがて待っている間にビールも欲しくなった僕は 宮下さんとお酒を探しに行く事にした。

 

先程のおじさんがやはり寄ってくる。

 

ビールを買いたいというと。

 案内するから着いてきなー。

と言ってくれた。

 場所教えてくれたら行くから大丈夫。

と言っても

 いいから いいから

と先をさっさと歩き出した。

 

やがて道路に戻り、砂浜の入り口の向かいにあるお店に案内してくれた。

 

このおじさんは、パラグライダーや、隣の島へのミニクルーズの勧誘の仕事をしている人で、

周りの商店の人とも皆知り合いらしく。

店の人とはいつも挨拶していた。

 

今は暇な時期で

客は僕達くらいしか居ないので

暇ついでに

営業と相手をしてくれてるようだった。

 

色々見てビールを買い 店を出ると

彼は外で待っていてくれた。

 買いたいものは買えたのかい?

 そうか、それは良かった。

 ところで…

と彼が言ったところで

 うん!まだ大丈夫。ありがとう!

と僕が 食い気味にお礼を言うと

 

彼も宮下さんも爆笑していた。

 

だんだんと会話のリズムが掴めてきた 笑

 

 

ビーチに戻ると、頼んだ ご飯が出来ていた。

持っていくよという彼に  流石に

 大丈夫だよ。自分で持っていくから

と断ってチェアに戻った。

チェアまでついてきた彼はこのビーチについて色々教えてくれた。

 

数年前までここは 日本人で溢れていたとか。

ペナン自体に日本人観光客がいっぱいきていた事。

今はピークシーズンでは無く 空いているが

最近ではピークシーズンも 前ほど人が来ない。特に日本人はほとんど来なくなった。

との事だった。

 

色々聞いて会話がひと段落すると

最後に もう一度挨拶のように

 パラグライダーはいいのか?

と聞いてから 彼は離れて行った。

パラグライダーを勧めてくる以外は本当にいい人だった 笑

 

 

ビーチは最高だった。

木陰でビール片手にご飯を食べていると

 これが世に言う "リゾート" なのだな!

と最高の心持ちだった。

 

しかも無料だ!!

 

2人で   最高やね!! と話し

 

あまりに楽しいので時間を忘れて過ごしていた。

 

海はというと 実は

お世辞にも綺麗とは言えない色だった。

 

少し濁ったエメラルドグリーン?な感じ。

 どうします?俺はいいかなぁ。。

 あたしも大丈夫だぁ。。

と、海は眺めて楽しむ事にした。

 

改めて 日本の 特に沖縄の海が

どれくらい美しいかに 気付かされる。

 

日本の山や川の美しさは

とんでもない自然の贈り物なのだと

外に行って改めて気付かされた。

 

しばらくすると 20代後半だと思われる

インド人らしい男性ぽっちゃり三人組が海に入って行った。

 

彼らにとっては普通に入れる海なのだろう。

 

三人組は 一昔前のトレンディドラマのように

ウフフ アハハハ。。

と水を掛けあって

こぉーいつぅー! やったなぁ! 笑

などとやりとりしていた。

 

さらにプロレス技を掛け合ったりで。

 

仲良し過ぎて見ているこっちまで幸せな気分にさせて貰った 笑

 

やはり友人って かけがえのないものだなぁ。

とも思う。

 

しばらくして酔いが回った僕は

昨日の寝不足も手伝って眠ってしまった。。

 

続く

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↑ "コムタ"

 

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↑ バスチケット

 

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↑ バトゥ フェリンギ ビーチ


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↑ ビールとフード

 

 

次話

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