第9話
とことこいとこ
空港での食事で、お腹を壊さなかった僕は、ただ運が良かっただけなのか?
それとも、案外僕は"丈夫なのか"葛藤していた。海外で、全くお腹を壊さない人もいるからだ。(中にはガンジス川の水を飲んでも大丈夫な強者もいる)
念のため、旅行保険の日本語で対応してくれる電話と、クアラルンプールで治療対象の病院が乗っている小冊子は肌身離さず持っていた。
地元の人が集う安食堂は、とても海外初心者が入れる雰囲気ではなかったし、朝からみんなめっちゃ辛そうな”赤赤しい”チキンご飯プレート的なものを食べている。
辛い物が苦手な僕は、ホテルの同じ通りに中華屋さんがあるのを発見したので、朝はここで鶏の中華粥を食べるのが日課だった。あとは、マックなど、日本にもあるチェーン店。
中華粥は、確か6.5RM(リンギット)だった。日本円で180円くらい。それでも、旅の達人が食べるであろう地元のマレー料理より少し高い。
ホテルもシングルで、シャワー、トイレ付きで一泊1500円、モノレールは、2.10RM(58円)とかで、移動できる。
つまり物価はかなり安い!
空港のバーガーキングと、空港からの新型列車の路線が、単純に高すぎただけのようである。
そして、
今日は日本人と会える!従姉妹に会うのだ。
僕は地理を把握する為にも、待ち合わせ場所へ、とことこ歩いていくことにした。
グーグルマップで見るとまぁまぁな距離である。とにかく暑いので、しばらく歩くと死にそうになるので、休憩がてらコンビニに入ったり、スーパーに入ったり、バザールに入ったりしながら、涼みながら移動する。案外色々見れて楽しい。
途中でマックによって、ドリンクを頼みながら、Wi-Fiに繋ぎ、Googleマップを確認する。
世界的にバックパッカーが使っているのは、「Maps.Me」という地図アプリである。
地図をダウンロードしておけば、
オフラインでも使える優れもので、これを入れてないバックパッカーはモグリ?という感じらしい。しかし、英語やローマ字表記の為、僕にとっては非常に使いずらかった。。
つい、日本でオーディションや撮影現場に行くときに使っていた、Googleマップを使ってしまう。Googleマップだと、ローマ字表記の下に「ムルデカ広場」とか「ペトロナスツインタワー」というふうに、一緒に日本語が出るので安心なのだ。
(日本でしか使えないと勝手に思い込んでいたGoogleマップを、空港で、使えると知ったときは、「神かよ?!」と思ったし、日本の漫画アプリが、外国でも普通に読めたのは驚きだった。なんにせよ、現地に行って自分で体験してみないと、何事もわからないものである)
すぐに川に出て、川好きな僕は、川沿いを歩いていた。色は灰色で、こんな色の川は初めて見た。川の両岸から、ハーフパンツに上半身裸で、刺青が入っている人や、半袖ハーパンの人たちが、釣りをしていた。
見てみると、灰色の水から、ほぼ入れ食い状態で、結構でかい川魚が次々と釣れていた。
水が灰色でも魚は元気に暮らしているらしい。
多分白身であろう魚は、結構美味しそうだった。
汗だくで歩いていると、人気のない道に出た。
大通りなのに、人も車もこない。。
そこにいたのは、中型犬より、少し大きめの野良犬だった。
2、3匹が、 ヘッヘッヘっ と、暑そうにうろついている。。
田舎でしか見た事ない野良犬。
日本ではほぼ野良犬を見る機会は、無くなっている。
結構怖い。。
とにかく目を合わせないように。
向こう側の歩道にいたら、こっち側、
こっち側にいたら、向こう側に渡って、刺激しないように。
ゆっくり歩く。。
犬って怖いよね?!
と、改めて感じた。
聞くところによると、昼間はまだ良いが、夜は特に危ないらしい。群れた野良犬は、よるは凶暴化するらしい。。キョンシーかよ?!
と思いながら、歩くだけでこんなにも考えたり、自分の危険センサーがバリバリ反応して、本能が呼び覚まされる。
日本では使わないセンサーがビンビンになるのだ!!
やっとのことで従姉妹と合流したのは、宿を出て、2時半後だった。。
従姉妹に色々案内してもらった
最後はブキビンタンの
屋台村のようなアロー通り
以前よりも観光地化していて
料金も高くなって
味も落ちたとのこと
けれど初めてきた僕には安くて美味しくて天国だった!!
( 大いに気に入った僕は
毎夜ここに通うことになる)
こういうお店はだいたい
取り皿とお箸はプラスチック製である
注文をした後に
本当に自然な感じで
これまたプラスチック製のテーブルに備え付けてある
うっすい紙ナプキンで
従姉妹が急に箸や取り皿を拭きだした
ごく自然な…
子供の時からやってますがなにか?
という感じである
何やってるの? と聞いてみると
あんまりちゃんと洗ってないはずだから 拭いてる とのこと
えええ? 大丈夫なの?
大丈夫やろ(*´▽`*)
乾いたそんなので拭いても意味ないんじゃ。。
まぁねぇ、気休めていどー (*´▽`*)
つ、つよい。。
さすが世界を色々周ってるだけある、と改めて尊敬してしまった
そこで
気になっている事を色々聞いてみた
まず
飲み物についてだが
水はペットボトルを必ず買う事
その際キャップがすでに空いている、軽く回るときは
どんなに勿体なくても捨てること
逆に何を入れられてるかわからないから
生野菜はなるべく食べないほうがいいが
アジアにありがちなキュウリなどの付け合わせは
腐ってなければ食べても大丈夫
サラダ食べても別にお腹を壊したことはないとか
露店で売ってる果物の生ジュースは氷なしで頼めばまず大丈夫
水道水も煮沸すれば行けるとか
男性好きの白いおじさんは多いのか?
→知らん。 とか。。
…ビビりまくってた自分が、馬鹿みたいに思えてきた。。
一緒に色々食べだすと、もう何も気にならなくなった。
さすがにカエル肉は違う意味で気になったが…
マレーシアの不思議の一つだが
ビールはビール専門で売るおばちゃんが各店にいて
バドガール (ガール?) のような格好で
ビール会社のロゴを背負って働いている
(カールスバーグガールが多かった 笑)
日本でいう野球場のビールの売り子さんにイメージが近い
とにかく活気があって楽しい
お祭りに来てるみたいなのだ
ようやく旅の醍醐味を味わうことができ。
少し。。
自由になれた気がした 37歳の夜
このまま
旅の第二夜は更けていったのである。
続く
↑灰色の川と釣り人たち
↑川と釣り人と私
↑アロー通り
↑最高の夕食
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