第6話
ミッション 空港を脱出せよ! エピソード3
午前9時20分
クアラルンプール国際空港の地下改札に降りてきた僕は
早速チケット窓口でKLセントラル駅行きの切符を買い求めた。
対応したのは
まったく愛想のない
ちょっと感じの悪い男性係員だった。
先ほどのインフォメーションの男性とはエライ違いである
何となく嫌な予感がしたが
KLセントラル駅へ行きたいと伝えた。
彼は、僕を一瞥し
55リンギットよこしな。
と言ったように聞こえた。。
15.5(フィフティーン ファイブ)
と聞きかえすと、
55(フィフティッ ファイブ!)
リンギット!!
と キレ気味に返された。
えええ??
僕はびっくりした。
なにせ日本円で1,400円以上である
一晩の宿代とほぼ同じである!
さっき調べたところによると
30分か40分しか乗らない電車がである?!
日本でも 地元の横浜から熱海まで行ける値段!
そンなにするわけないダロ?!
今思うとその時の僕は
絶対騙されないぞ!という
変なスイッチが入っていた
(ほォ!!これが世にいう
ぼったくりですか!!
いくら懐に入れる気や!?
オマエさん?! )
「じゃ、いいですゥー!!」
と言って僕は怒ってその場を離れた。
ぜってーあいつからは買わねえ!!
っつーか、マレーシア!なんなん?!
マジでなんなん?!
と僕は、呆れてブツブツ言いながら 歩いているうちに、
いつの間にか最初の場所まで戻って来ていた。
振り出しに戻った… が仕方がない。
今のところ、僕にとってのマレーシアの世界は
"飛行機を降りて~電車の改札まで "
しかないのだから。。
ここに戻るしかなかったのだ。
(この出来事の言い訳をさせてもらうと
その時の僕は、疲れと疑心暗鬼で
みんなが悪意を持っているように
感じてしまっていたのだと思う
普通に考えたら
マレーシアの国際空港の
ちゃんとしたチケット売り場で職員が
そんなことするはず無いからである 笑)
そんなことに考えが及ばない当時の僕は、
あの職員が窓口業務を交代したら、違うスタッフからチケットを買おうと、
本気で憤慨していた。
もう恒例となったベンチ休憩をしながら、
やっと繋いだWi-Fiで、なんと!
日本の漫画アプリが、外国でも見れる事に驚きながら、つい漫画を読み、現実逃避をしたりして。。
やっと どうしようかと、現実世界に戻って来た僕に、向こうにあるバーガーキングが目に入った。
そういえば
昨日深夜に羽田空港を出発してから
何も食べていない。。
ハンバーガー屋を見て
胃が急にアピールしてきた。
とりあえず、バーガーキングなら
お腹を壊すこともあるまい。。
僕はマレーシアで初めての食事をとることにした。
続く
↑ マレーシアの改札
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