第5話
ミッション 空港を脱出せよ!エピソード2
空港のベンチで、あしたのジョーの様にうなだれていた僕は、
心のマジックポイントの 回復に努めていた。
やがて、15分程ベンチで休んだおかげで
だいぶ落ち着いた僕は、
よーし! いっちょやってみっか!!
と再びATMの前に立った
操作方法は、ベンチで何度もシュミレーションしておいた。
下ろす金額も計算し 2万円分くらいと
しっかり決めた!
もう怖いものは何もない!!
先ほどの操作をそつなくこなし、
金額の画面に 難なくたどり着いた僕は、少し自信を取り戻していた。
なんだよ正実。
落ち着いてやれば出来るじゃないか。
と自分の中の リトルマサミが褒めてくれた。
ところが。。
200$というボタンを押したはずだが!!
ばばばばばばばばばばばばばばばば!!!
と すごい勢いで目の前にお札が出てくる!!
しかも全然止まらない!!
どばばばばばばばばばばばばば!!
ばばばばばばばばばばばばばばばば!!
ぶばばばばばばばばばばばばばばばば!!!
どんどん出てくる!!
うわぁーーーーーーー!!!
誰かーーー!!
これ とめてーーーーー!!!
とまってーーーーーーーー!!!!!!
お願いーーーー!!!
と叫びたかったが
歯を食いしばってそれに耐えた。
やがて、
ぶばばばばばばばばばばばばばばばば すん。
と ようやくATMは静かになった。。
目の前には…
大量の札束リンギットが 魔法のように出現していた。
恐る恐るその札束を手にした僕は
周りを警戒しながらバッグにすぐ詰め込んで
足早にATMから立ち去った。
そして周りに人がいない
少し死角になるベンチを見つけ、
誰にも見られていないことを確認したのち
お金を数えてみた。
全部で2,000リンギット
「地球の歩き方」のお金の章を開き
レート換算してみると…
日本円にして 5万円以上 手に入れていたのだ
(ATMに大きなお札がなかったのか
細かいお札で出てきていた為大量の札束になったようだ。
なぜ2,000リンギットも出て来たのかは未だにわからない… )
それにしてもマレーシアでは大金のはずである。
いきなり大金持ちになった僕は
大きなお金を入れておく用の貴重品財布のほうにお金をしまい
パンパンになったそれを
バックパックの奥深くに封印した。
冷や汗がほほを伝うのが分かった。
やばい…
こんなにお金を持っているのがバレたら
間違いなく襲われる。。
そんな恐怖を感じた僕は
”すぐにでもここを出るべきだ” と判断し、
個人情報が盗まれるのではないか?!
と 警戒し、繋ぐのをためらっていた 空港のWIFIに、決死の覚悟で接続し、KLセントラル駅への行き方を調べた。
どうやら電車で行けるらしい!!
周りを見渡すと、確かに電車のマークに、矢印が付いている標識がかかっている。
どうやら、エスカレーターを降りた地下の方に、直通の電車があるらしい。
善は急げとばかりに僕は
空港にありがちな長いエスカレーターを下り始めた。。
続く
↑ 空港エスカレーター
↑ マレーシアのお金
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